働き方改革関連法では、労働者がそれぞれの事情に合わせた働き方を可能とする社会を実現するために、長時間労働是正・多様で柔軟な働き方・公正な待遇の確保などの措置を講じています。
時間外労働の限規制の強化や勤務間インターバル制度の普及促進の他、年次有給休暇取得の義務化などもその例です。
多様で柔軟な働き方を実現させるため、そして新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためにもテレワークが推奨されていますが、現場がある運送業でもテレワーク導入ははたして可能なのでしょうか。
テレワークとは、「Tele(離れた場所)」と「Work(働く)」をあわせた造語であり、インターネットなどの技術を活用しながら、場所や時間を有効活用させて働くことです。
会社に出社することなく、自宅などで仕事をする形式ですが、その効果として挙げられるのは、
雇用創出
労働力確保
オフィスコスト削減
優秀な人材の確保
ワーク・ライフ・バランスの実現
生産性向上
環境負荷軽減
事業継続計画(BCP)の一環
などが挙げられます。
テレワークにも企業などに雇用される雇用型テレワークと、個人事業主などが行う自営型テレワークに分けることができます。
さらに就業場所によって、自宅を仕事に使う在宅勤務、出張先や移動先などで仕事をするモバイル勤務(モバイルワーク)、共同のワークスペースなどで仕事を行うサテライトオフィス勤務に分けられます。
いずれも業種により向き不向きがあるといえますが、運送業の場合には現場があるためテレワーク導入が向いているのか疑問を感じる方もいることでしょう。
運送業でテレワークを導入している企業は全体の1割に満たず、物流の現場職が含まれるため導入しにくいとかんがえられます。
物流はモノの保管・梱包・検品などの流通加工が必要であり、トラックや船・航空機などに積み込み運ぶなどモノを動かさなければならないからです。
モノがある場所での作業が多いため、テレワークは想像しにくいのが現状といえます。
しかし運送業は現場だけの仕事に限らず、営業・事務などの職種を担当する従業員もいます。
パソコンがあれば場所を選ばず事務所作業と同様に仕事が可能となる職種もあるため、間接部門に限定すればテレワーク導入は可能となるでしょう。
現場に近い職種では、事務職のように一日単位でテレワークを実施することは難しくても、精算処理などの事務処理や書類作成など数時間単位であればテレワークを行うこともできます。