これから運送会社を設立しようという方や、すでに会社経営をしている経営者は、運送という仕事についてどのような考え方が必要なのでしょう。
たとえば消費者がモノを購入しようとするときには、
・値段
・量
・質
などの項目を確認し、自分の希望に合致するかによって購買を決めることになるでしょう。
高額商品であれば、品質や適した量なのかという項目に加え、保証やサポート制度があるかなど基準が高くなります。
値段が安く、量も十分で、品質も高いというすべての機能が充実したモノにはなかなか出会うことはできないため、まずは機能や質に相応しい価格か独自の基準で判断し購入することとなるはずです。
その後、満足できるモノであればリピーターとして再度購入するでしょうが、このリピート率は実感してこその結果といえますが、運送業でも同じことがいえます。
運送会社の経営者の中には、上記の基準が運送業にはあてはまらないと感じた方もいるでしょう。
しかし運送業でも同じことだと感じた経営者は、儲ける思考を持っている方といえます。
自社の強みとして提供しているサービスを、荷主が満足して利用してくれるのは、他社に劣らないサービスの提供が可能となっていると感じられるからです。
しかし運送は荷物を届ける仕事なので、問題なく荷物を届けることができれば何も問題ないのでは?と考えてしまった経営者は、あまり儲けが出ていない可能性もあります。
現在、運送業ではドライバー不足の問題が深刻になっていますが、この問題を抱えているのは後者の経営者がいる運送会社が多いといえます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コロナ倒産してしまう運送会社も少なくありませんが、勝ち残ることができる運送会社は前者の思考で零細から中小、中小から中堅に成長できているはずです。
数多く存在する運送会社の中で、勝ち残り成長し続ける運送会社には、主に次のような共通点が見られます。
・地域活動にも積極的に参加するなど、イメージが良い
・女性ドライバーの採用も可能とする環境が整備されている
・ドライバー募集のたびに応募者があつまる
・交通事故や労災事故の発生率が低く、安全重視した教育環境が備わっている
・物流知識が高く、荷主が満足できる提案ができる
・規律を守り、仕事に充実・満足している従業員が8割を占める
・会社の経営方針やビジョンが社内で浸透している
・本社と支店や現場との風通しが良好
・来訪者にも自然な笑顔で挨拶できる
・ドライバーの見た目も清潔感があり挨拶も明快
まとめると会社の品質が良いということであり、荷主とのコミュニケーションで生まれる信頼関係が構築されている会社だといえます。
ドライバーの品質こそが経営者の品質といわれるため、経営者自らが従業員の思考をプラスに変えるために、自社の品質を高める考え方が必要です。