安定した物流は人々の生活や国の経済発展において欠かせないことといえますが、現場を支える運送ドライバーは不足する一方です。
その理由として、労働環境が恵まれていると言い難いことが挙げられますが、国も運送ドライバーの人材確保・育成を目指して取り組みを進めています。
そこで、国が行う運送ドライバーの人材育成に向けた取り組みについて紹介していきます。
国内貨物輸送の半分はトラック運送業が担当していますが、人々の生活や経済を支える大切な役割を担っているのにもかかわらず、トラックドライバーは次のような悩みを抱えていることが多いといえます。
・トラック運送事業者のほとんどが中小企業のため荷主よりも立場が弱く手待ち時間まで負担しなければならない
・長時間労働の常態化
・運賃収受が適切でない
・低賃金
このような背景から、トラックドライバーとして働く人はだんだんと少なくなり、人材獲得から育成までの重要度が増しているといえます。
このまま改善されなければ、トラック運送業のサービス品質は今よりも低下することとなり、事業を続けることもできなくなっていくでしょう。
運送業の人材不足は深刻化していますが、ドライバーが足らない状況を懸念した国は、厚生労働省と国土交通省が連携して取り組みをスタートしています。
急務といえるトラックドライバーの人材育成ですが、取り組みとして次の2つが挙げられます。
・魅力のある職場環境の整備
・運送業へ入職を推進
それぞれの取り組みについて説明していきます。
運送業界の魅力を向上させること、人材育成環境を整備することの2つを進めることで、トラックドライバーとして働いてくれる人材を確保することを目指しています。
具体的には、
・取引環境・長時間労働・賃金など労働条件の改善
・雇用管理知識の習得と実践の推進
・雇用管理に資する助成制度活用の促進
・現場の安全管理の徹底
等が挙げられます。
トラックドライバーの労働環境を改善することで、安心して入職し働いてもらえる環境を整えることを目指しています。
上記の施策のうち、「取引環境・長時間労働・賃金などの労働条件の改善」「雇用管理に資する助成制度の活用促進」などはその例といえるでしょう。
トラック運送業への入職を促進するためえに、女性の活躍などの促進や関係団体などとの連携で人材育成・定着支援を推進するといったことも行っています。