現在、物流・運送業界で働くトラックドライバーは不足している状況です。ただ、毎月の収入だけでなく、将来的に受け取ることができる退職金があるとすれば、安定した職種として認識されドライバーとして働きたいと考える方も増えるかもしれません。
実際、退職金を出している物流・運送関係の企業もありますが、現在どのくらいがその相場なのでしょう。
中小企業の場合、退職金が出る場合でも辞めた理由によりその金額は異なります。例えば高校卒で勤続10年の方が自己都合で退職した場合、退職金は90万円程度、大学卒の場合で114万円程度が相場です。
ただ、会社都合による退職であれば高校卒なら120万円程度、大学卒で150万円程度と金額が上がります。
新卒で定年まで勤務すれば、高校卒なら約1千万円、大学卒なら約1千100万円を退職金として支給されていることが多いようです。
ただ、実際の退職金は企業によって異なりますので、一概にはいえないところとえいます。
トラックドライバーの場合、10年勤務しても100万円の退職金を支給することは今のままでは難しい状況です。
実際、中小企業は大企業より退職金制度を設けていないことが多いので、今の段階で安定しているとは認識されにくい状況といえます。
大手運送企業などでも、セールスドライバーとして正社員で10年以上勤務しても退職金がほとんどでないというケースもあります。
退職金制度が設けられていても、一部を退職時に受け取り残りを退職年金として少しずつ受け取るという形もあるようです。
ただいずれにしても、退職金制度を設けているほうがトラックドライバーとして働きたいと希望する方を集めやすくなるはずですし、長く働き続けてもらえるはずです。
年金制度も不透明な中、退職金に期待する方も少なくありませんので、退職金を受け取ることができることは将来的な不安を解消できるという面で魅力を感じてもらえるでしょう。
トラックドライバーの場合、再雇用で60歳をすぎても継続雇用する企業も少なくありません。引き続き、働き続けてもらえることは企業にとってありがたいことではあるものの、現在ドライバーの高齢化が進んでいるため、できるだけ若い世代を獲得するためにも退職金制度の導入を検討したほうがよいと考えられます。