
運送会社と法令の関係は、単なるルールの遵守をこえて、業界の生存と社会的信用を決定づける経営課題となりました。
労働規制導入と物流効率化法改正を経て、物流の持続可能性を担保する強制的なインフラへと変化しました。
法令は運送会社にとって制約に留まらず、労働環境改善や適正な収益確保における守り神になるといえるでしょう。
そこで、運送会社と法令の関係について、種類や遵守すべきルールを簡単に解説します。
運送会社に対して、影響力を持つ法令として、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」が挙げられます。
2024年4月に改正されて以降、一日の拘束時間は原則、13時間以内で、休息期間は継続9
時間以上の厳しい制限を守らなければなりません。
違反した場合は、行政処分や労働基準監督署による是正勧告の対象となるため注意が必要です。
法令による規制は、運送会社だけでなく、荷主や物流施設設置者にも及びます。
改正物流効率化法では、一定規模以上の事業者に対し、物流統括責任者の選任と物流効率化計画の作成と報告が義務付けています。
これまでは、長時間の荷待ちや低い積載率による負担は、運送会社が負わなければなりませんでした。
しかし、今後は荷主の法令違反として扱われる可能性もあるため、運送会社側の負担が軽減されることも期待できます。
運送会社と荷主が良好で対等な関係を築き、物流効率化を図ることのできる法的枠組みを目指す動きと考えられます。
「貨物自動車運送事業法」は、運送事業の根幹をなす法律ですが、輸送の安全を確保する柱ともいえます。
明記されているのは、たとえば以下の内容です。
・運行管理者の配置
・点呼の実施
・過労運転の防止
・標準的な運賃の収受義務
など
点呼の実施に関しては、従来までの対面点呼に加えて、遠隔点呼や自動点呼の導入も増えつつあります。
軽貨物事業者には、これまで比較的規制が緩やかでした。
しかし、黒ナンバーを取得している軽貨物運送にも、2025年度からは段階的に法令適用の強化が進んでいます。
たとえば、安全管理者の選任や事故報告の義務化などがその例ですが、一般のトラック運送に近い水準での法的義務が課されており、安全性の底上げが図られているようです。