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海外物流を行う企業が貿易事務を担当する人材を雇用する際の採用基準とは?

2020.05.25
分類:総務

貿易事務とは、輸出や輸入などの貿易に関わる商社やメーカーなどの事務を貿易事務といいます。海外との取引を行う物流業者などでは貿易事務を担当する人材をどのような基準で採用するか判断に迷うこともあるでしょう。

一般の事務職よりも高い専門性や知識、語学力などが求められるため、誰でもできる仕事ではないと考えられるからです。

そこで、主に貿易事務とはどのような業務を行うこととなるのか、その内容を把握した上で採用する人材を選ぶようにしましょう。

貿易書類の作成・確認を主な業務とする

海外との商品やサービスを取り引きする貿易には様々な高いリスクが伴うこととなります。

日本とは異なる文化や商習慣などで、商品の納入だけでなく代金の支払いなどがスムーズに運ばない上に、輸送距離や時間も長く途中で事故に巻き込まれる危険性も考えられるからです。

そこで必要なのが様々な書類作成と手続きですが、商品・サービスの数量、価格、条件などを証拠として残すために書類を作成し、正確な手順でやり取りしてリスクを軽減させることが必要です。

 

貿易書類の種類と作成に必要なスキル

輸出・輸入に関係する書類は貿易書類と呼ばれています。

輸出する物の品名、種類、数量、価格、代金の支払い方法などを記したインボイス(商業送り状)、輸出する貨物の個数、重量、容積などが記載したパッキングリスト(梱包明細書)、貨物を引き渡すときに必要な船荷証券などが貿易書類として挙げられるでしょう。

他にも信用状や為替手形など、代金の支払いや回収に関係するいろいろな書類や文書があるので、作成やその内容を確認、送付までしっかり行うことができる人材を雇用することが必要です。

書類の作成を正確に行い、関係者と内容を理解した上でやり取りできるほどの専門知識や英語力が必要といえます。ビジネス英語を読み書きできる能力・スキルがなければ務まらないと考えられます。

 

コミュニケーション能力や機転の早さなども求められる

輸出・輸入で品物を運ぶときには、様々な企業や組織などが関係することになります。途中でトラブルを発生させずに品物を届けるためには、実務の正確さだけでなく高いコミュニケーション能力も必要といえるでしょう。

貿易事務の仕事は貿易書類を作成し、輸送や通関手配を行えばよいだけでなく、品物の量や納期などいろいろなデータをパソコンに入力する作業から、自社工場や倉庫の在庫確認なども行います。

また、天候の影響などで輸送が遅れる場合など、スケジュールを調整し代替案を提案するといった機転の早さも求められると考えられるでしょう。