物流の仕事を行う上では守らなければならないルールが法令で定められています。
特にトラック輸送に関する法令の内容を把握しておくことは、適切な事業運営に欠かすことはできないことです。
トラックなどの自動車を使い、料金を受け取って貨物を運送する事業は貨物自動車運送事業といいますが、この貨物自動車運送事業を規定する法令が貨物自動車運送事業法です。
他にも不特定多数の荷主から運送の依頼を受け、自動車を使って料金を受け取り運送する事業である一般貨物自動車運送事業などもありますので、それぞれの法令について把握しておくようにしましょう。
一般貨物自動車運送事業を営む場合には国土交通大臣の許可が必要ですが、そのときに申請する書類には次の項目の記載が必要です。
・ 氏名または名称、住所、法人の場合は代表者の氏名
・ 営業所の名称および位置
・ 事業に使用する自動車(事業用自動車)の概要
・ 特別積合せ貨物運送をするかどうかの別
・ 貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
・ その他国土交通省令で定める事項に関する事業計画
項目の中にある貨物自動車利用運送とは、他の貨物自動車運送事業者を利用し貨物運送を行う事業のことを指しています。
このように一定の項目をクリアし、基準を満たすことで許可を得ることが可能となります。
トラック運送事業では現在ドライバーが不足している状況が深刻化していますが、その要因とも考えられるドライバーの長時間労働を改正させるための働き方改革を進め、コンプライアンス確保に向け貨物自動車運送事業法が改正されました。
改正内容は、
・規制の適正化(欠格期間の延長等・許可の際の基準の明確化・約款の認可基準の明確化)
・事業者が遵守すべき事項の明確化(輸送の安全に係る義務の明確化・事業の適確認な遂行のための遵守義務の新設)
・荷主対策の深度化(荷主の配慮義務の新設・荷主勧告制度の強化・国土交通大臣による荷主への働きかけ等の規定の新設)
・標準的な運賃の告示制度の導入
などですが、トラックドライバーの働き方改革を進めコンプライアンス確保が可能となるように、働きかけ等の規定新設のうち荷主関連部分は2019年7月1日から施行されています。
規制の適正化・事業者が遵守すべき事項の明確化は2019年11月1日、標準的な運賃の告示制度の導入については2019年12月14日(運賃の告示2020年4月24日)に施行されています。