新型コロナウイルス感染症の影響が引き金となり、近年では様々な業種や事業において働き方を見直すことが求められています。
たとえばテレワークと呼ばれるリモートによる働き方などを取り入れる事業者も増えつつありますが、物流業界では現場の作業などが必須となる部分もあり、必ずしも対応できるとはいえません。
しかし物流業界でも、テレワーク実施などを可能とする業務もあり、時代の流れに沿った新しい働き方を検討していかなければならない状況と考えるべきともいえます。
そもそも「テレワーク」とは、「Tele(離れた場所)」と「Work(働く)」が合わさってできた造語です。
ICTを活用しながら、時間や場所をうまく使って柔軟に働くことをあらわしています。
雇用されていながらも出社しなくても働くことができるため、雇用創出・労働力確保・経費削減・人材確保・生産性向上・環境負荷軽減など様々な効果が得られると考えられています。
しかしテレワークが普及しているのは、管理や研究、営業などパソコンがあれば社内で作業を行っている状況を確保しやすい職種です。
運輸業ではテレワークの普及は進んでいるとはいえませんが、現場での業務がメインであることがその理由です。
モノの保管から、梱包・検品などの流通加工、積み込み作業から運搬など、いずれもモノを実際に動かす作業がほとんどだからといえます。
物流業界では現場業が中心となるため、完全テレワークに以降させることは困難とも考えられます。
ただしテレワークの対象を事務や管理職、営業職などに限定して行うことはできるでしょう。また、部分的な業務だけをテレワークで行うこともできるかもしれません。しかしそれが業務の効率化につながるかという点では疑問符が浮かぶともいえます。
新型コロナウイルス感染症により、人と人との接触を最低限に抑える努力が必要といわれるのなら、テレワークの導入は難しくてもできる部分で働き方を変えていくことを検討する必要があるといえます。
たとえばドライバーの場合、一旦事務所に立ち寄るという習慣はやめて直行直帰という形にすれば、人との接触をできるかぎり抑えることは可能となるでしょう。
倉庫についても費用をかければ、ある程度はリモートでの作業に切り替えることは可能とも考えられます。
従来までの価値観を見直し、新しい働き方にシフトしていく良いきっかけと捉えてみるとよいかもしれません。