物流現場では生産性や品質維持・向上について、現場で働く人に大きく依存している状況といえます。
物流の企画や管理なども、担当する人材の知識や経験などでその結果は大きく変化してしまいます。そのため生産性や品質の維持・向上を目指すのなら、物流業界の現場で働く人材を教育し育てていくことは欠かせないといえるでしょう。
最新設備や情報システムなどを導入し、業務を効率化させれば多少は物流コストも低減されるかもしれません。
しかし物流サービスのすべてが向上するわけではなく、人に依存する部分は人材のスキルなどが大きく影響すると認識しておくべきです。
実際、最新設備や車両、情報機器などを導入したくても、投資する資金余力の中小の物流・運送企業でも、現場の活動を改善させることで大手と遜色ない品質や生産性、企画力を維持できていることもあります。
そのため物流サービスや現場の生産性・品質を改善させるのなら、機械や情報だけに頼るのではなく、人の依存度の高さを再認識し人材の能力を確認することが必要といえるでしょう。
物流の人材を教育する上で、どのようなスキルが求められるのか把握しておくようにしましょう。
物流人材に求められるスキルとは、
・物流の専門的な知識を有する
・既存顧客(荷主)や自社物流の生産性や品質、サービスを向上させる
・新規顧客(荷主)開拓や新たな物流サービスを開発できる
・物流を通し顧客(荷主)または自社の発展に寄与できる
などです。
顧客や自社の問題を発見でき、解決方法について仮説立案できること、企画を実行するためにプレゼンテーションできるノウハウや交渉力が必要になるでしょう。
さらに現場の生産性を向上させるためにも、メンバーに必要な知識を与えモチベーションを向上させることのできるリーダーシップ性があることが望ましいといえます。
サービスレベルは強化させつつ、コストはできるだけ削減させるといったことが望ましいですが、可能にするためにはサービスやレベルを数字でとらえ改善させるための分析・評価を行う能力も求められます。
人材を教育することも必要ですが、物流企業でも業務について進捗管理しながら、現場で働く者同士で情報を共有できる環境を整備することが必要といえます。
物流現場では、輸送・保管・荷役・包装・流通加工などそれぞれの過程において専門的な知識も要求されますので、広い領域で必要な知識を得ることができるネットワーク(人脈)を構築できる現場づくりを実践してください。