運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流業界で働くドライバーの労働環境を改善させるための運動とは?

2020.12.10
分類:総務

物流業界では、トラックや荷物はあっても、車両を運転して荷物を運ぶ「人」が不足している危機的な状況です。

その背景にはトラックドライバーの労働環境が悪化していることが挙げられますが、人材不足を解消するためには労働環境を改善させることが必要です。

そこで、ドライバーの労働環境を完全させることに向けて、「ホワイト物流」推進運動という取り組みが進んでいます。

ホワイト物流推進運動の目的

EC業界が急成長し、ニーズは高まっているのに人手不足はまったく解消させることはありません。むしろ大変深刻な状況にあるといえますが、ドライバーの過酷な労働環境に対して、国土交通省は「ホワイト物流」推進運動を掲げています。

ホワイト物流推進運動は物流業界の長時間労働を抑制させて、安定した物流確保のために立ち上げられました。

運動で柱として位置付けられているのは、

・トラック輸送の生産性向上と物流の効率化

60歳以上の方や女性などが働きやすい労働環境の実現

などです。

20185月に「自動車運送事業の働き方改革に向けた政府行動計画」が掲げられていますが、その一環として構想されています。

2024年には、トラックドライバーの時間外労働は960時間という上限に規制されることになりますが、その規制適用に向けての大きな足掛かりとなっているといえるでしょう。

エンドユーザーにも推進

運動に参加することで、業界の商慣行や業務プロセスが見直されることとなり、生産性が向上されると考えられるでしょう。さらに物流が効率化できれば、問題視されているCO2削減にもつながるはずです。

ラストワンマイルの先にいるエンドユーザーも同様に、再配達の回避や日曜集荷廃止への理解、宅配ボックス・営業所・コンビニ受け取りを利用すること、まとめ買いの検討といったことを呼びかける方針としています。

 

運動を広めることは容易ではないものの…

古くから物流現場に根付く荷主を主体とする商習慣や、当たり前になった超高品質を保持するという物流サービスの存在などが影響し、運動に賛同してもらうことはけして簡単なこととは言えません。

特に企業規模や社会的責任より、今の業務を優先させることが重要となる中小企業などの場合、より難しいと考えられます。

ただ、モノを現場の第一線で運ぶドライバーの存在は物流業界における血液ともいえる存在のため、ドライバーが停止・不足すれば経済も止まってしまうと考えるべきです。

企業がそれぞれの事情だけを考えず、物流業界全体を踏まえ一体となり、ホワイト物流を達成させることを遂行することを目標として動いていきましょう。