運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流企業で働く派遣スタッフの派遣期間の定めとは?

2020.12.19
分類:総務

物流企業で働くスタッフの中には、派遣という勤務形態の方もいます。

社員ではなく派遣であっても携わる業務内容は多岐に渡るため、一度採用した派遣には長く働き続けてほしいと考える経営者もいることでしょう。

しかし派遣スタッフは、一定年数を超えて同じ事業所で働くことはできませんので注意しましょう。

物流業界での派遣の業務内容

物流企業で働く派遣スタッフの場合、一般企業の派遣社員のような事務スキルは必要とされないことが多いようです。その理由として挙げられるのは、物流企業で派遣として働く方は主に現場での業務に携わることが多いからといえます。

トラックなどの配送に関係する業務、製品の仕分け・ピッキング・検品・梱包・発送などの倉庫内軽作業、フォークリフトなど車両を使った入出荷作業などであれば、事務スキルは求められることはありません。

多くの場合、派遣スタッフには専門性の高くない定型的な作業を任せることが多いため、特別な経験やスキルを求めないことがほとんどです。

ただ、トラックやフォークリフトを使う作業は免許を取得している方以外は担当できませんので、その点は注意が必要となります。

近年ではインターネットショッピングが普及していることで、倉庫内の物流業務が増えており、不足する人材を補填するために派遣へのニーズが高まっているといえるでしょう。

 

派遣スタッフへのニーズは高まっている

派遣には派遣社員による就業を禁止する派遣禁止業務というものがあるため、こちらも確認しておきましょう。

物流業でも港湾を拠点とする港での業務の場合、港湾運送業務派遣は禁止されています。

景気や市場状況で業務量が変動しやすいのが物流業界の特徴ですが、直接雇用による人件費を抑えるため派遣スタッフを雇うケースもあるでしょう。

アルバイトなどを雇用する場合でも、求人募集や教育に費用がかかるため、すぐに対応できる派遣スタッフへのニーズが高まっているといえます。

 

派遣期間の上限に注意を

物流業界で派遣スタッフが働く期間は、平均24か月となっており、一部免許など資格が必要な業務があることが長期派遣となっている理由といえるでしょう。

ただし派遣期間の上限には気をつけておく必要があります。

2015年に労働者派遣法が改正となり、物流業を含めすべての派遣スタッフは、同じ事業所で3年以上の長期雇用ができなくなっています。

この派遣3年ルールと呼ばれる制度は、3年以上の長期派遣であれば社員にするべきだという考えにもとづいて制定されています。

そのため派遣スタッフが働いて3年を経過した場合には、無期雇用派遣社員として雇用するのか、別の派遣スタッフを雇うのか選ぶことが必要です。