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物流・運送業界では外国人労働者を積極的に採用する動きが活用化している?

2021.03.01
分類:総務

全日本トラック協会は外国人労働者をドライバーとして採用するための対応策をすでに検討しているところでしょうが、荷動きが新型コロナウイルス感染拡大により低迷したことや、ドライバー不足が一時的に若干ではあるものの緩和したことでどのような検討がされるのか気になるところです。

ただ、将来的に見れば採用環境は厳しい状態となることが予想されますし、実際に外国人労働者をドライバーとして採用するには言語や運転免許などの問題をクリアしなければなりません。

外国人労働者の採用は賛否両論

厚生労働省が公表しているトラックドライバーを含む自動車運転職の有効求人倍率は依然として3倍を超える高い水準であり、労働力不足となる割合は約7割にのぼるなど雇用状況は厳しいといえます。

2019年4月に入管法が改正され、人手不足が深刻な一定の業種は在留資格「特定技能」が導入されたため、外国人材の受入枠も拡大されるようになりました。

物流業界でも外国人労働者を採用する可能性への研究が進みつつありますが、採用に積極的な意見もある一方で、安全面などに不安を感じるなど慎重に進めるべきといった意見も根強いといえます。

外国人労働者を採用するためには、途上国へ技術を移転させることを趣旨とした技能実習制度での職種指定、または人手不足解消を目的とした特定技能に追加認定してもらうことが必要です。

ただ、外国人在留資格では日系人や日本人配偶者などを除いて、ドライバー職は認められておらず、外国人労働力の受け入れへの門戸は開かれていないといえます。

 

ドライバーとして採用することは不安?

現状の特定技能では、自動車整備・ビルクリーニング・介護など人手不足が深刻化している業種14分野に限定されています。

14分野として挙げられる業種や産業は、海外から日本の技能・技術・知識を学ぼうと入国した外国人技能実習生の受け入れを行ってきた実績があるため、現場で外国人と仕事をするノウハウも蓄積されていることが特徴です。

ただ今後は、海外・業界団体などから要望があれば特定技能に新しい分野が追加される可能性も考えられます。

物流・運送業界でもドライバー不足が深刻化しているため、外国人労働者を求める声もあがっていますが、反対意見もあるため具体的な要望が行われていません。

 

物流業界とトラック運送業界では対応が異なる?

物流業界でも企業ごとに外国人技能実習制度などを通しながら外国人労働者と関係性を深めようとする動きも見られます。

しかしトラック運送業界からは、外国人労働者を受け入れたいという要望が関係省庁には入っていない現状なのです。

本当にトラック運送業界も外国人労働者を必要とするなら、議論を重ね要望活動など実施することが必要といえます。

海外にもドライバーとして働くことの魅力を伝えていかなければ、制度が整備されても労働者は増えません。

現状を鑑みながら、まずは業界で外国人労働者の必要性を議論し、意見をまとめていくことから始めるべきといえます。