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物流会社も注意しておきたい雇用保険など社会保険の加入義務

2021.03.11
分類:総務

働いている方たちが安心して勤務できるように設けられた制度が社会保険であり、正社員ではなくパートやアルバイトでも一定基準を満たすのなら健康保険・厚生年金保険に加入することが必要です。

社会保険には健康保険や厚生年金保険だけでなく、労災保険・雇用保険などもありそれぞれ事業所と労働者に加入条件が決められているため物流会社でも確認しておきましょう。

労災保険と雇用保険を合わせて労働保険と呼ぶ

勤務中や通勤中の事故によるケガや病気に対する補償を行うのが労災保険であり、失業や教育訓練を受けたときに給付を受けることができるのが雇用保険です。

労災保険と雇用保険を合わせて労働保険と呼びますが、原則、従業員を一人でも雇用すれば事業所には加入義務が発生します。

ただし労災保険で負担する保険料は全額事業所側ですが、雇用保険は事業所と従業員が一定割合ずつ負担することが必要です。

労災保険は強制加入

常時使用する労働者が1人でもいれば、その事業所は労災保険に加入しなければならず、個人事業所・法人に関係なく課せられます。

正社員やパート・アルバイトなど雇用形態にかぎられることもなく、雇用され賃金が支払われていれば雇用していることになります。そのため雇用している従業員がパートやアルバイトという場合のみで、1日に数時間だけ働いてもらっている場合でも加入しなければなりません。

労災保険は従業員を雇用する使用者のための保険であり、労働者に対する労働中に起きた災害を補償するためのものです。保険料も比較的定額であり、加入していない場合に労災事故が起きれば厳しいペナルティーの対象となる可能性もあるため忘れず加入しておきましょう。

事業主・役員・事業主の同居親族は労働者に含まれませんが、働く実態により労働者とされることもあります。

雇用保険の場合は?

原則、正社員として雇用している従業員がいれば強制加入となりますが、パートやアルバイトとして働いている従業員の場合でも、以下の条件を満たす場合には加入手続きが必要です。

・週の労働時間が20時間以上の場合、かつ31日以上雇用を継続することが見込まれる(31日未満の雇用契約の場合で反復継続する場合も含む)

 

社会保険で強制加入の対象となるのは?

社会保険とは健康保険と厚生年金のことですが、強制加入の対象となるのは次の1か2のいずれかに該当する場合です。

・常時5人以上の従業員を使用する一定事業の個人事業所(原則サービス業以外の事業所は5人以上で強制加入)

・法人の事業所

一定事業に含まれるのは、製造業・土木建築業・鉱業・電気ガス事業・運送業・清掃業・物品販売業・金融保険業・保管賃貸業・媒介周旋業・集金案内広告業・教育研究調査業・医療保健業・通信報道業などです。飲食店や美容業などは強制加入の対象にはなりません。

適用事業所の場合、事業主や従業員の意思に関係なく健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられていますので注意してください。