運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

トラック運送業では「荷役作業」「付帯業務」が乗務記録の対象に

2021.04.19
分類:総務

20194月、働き方改革関連法が施行されたことに伴って、運送業界でも労働環境を見直そうと取り組みが見られるようになりました。

その中でも2019年6月に施行された、荷役作業などの記録義務付けは、ドライバーの長時間労働を抑制することに寄与すると考えられています。

荷役作業などの記録が義務付けられた背景

2019年6月15日から、車両総重量8トン以上、または最大積載量5トン以上のトラックにドライバーが乗務した場合には、集貨地点における荷役作業や附帯業務を乗務記録に記載しなければならなくなりました。

なぜ荷役作業などの記録が義務付けられたのかというと、荷主とトラック事業者が協力しドライバーの長時間労働を是正する取り組みにつながるからです。

現在、トラック運送業はドライバー不足が深刻化しています。物流機能が滞ってしまうと、生活や産業活動に支障をきたすこととなるため、長時間労働などを理由に人気のないドライバーの働き方を改革することが求められます。

記録を義務付けることでその実態を把握することができるため、データをもとに荷主とトラック事業者が協力し、労働環境を改善させる取り組みにつなげることも可能となるはずです。

貨物自動車運送事業輸送安全規則が改正され、すでに乗務記録に記載する必要のあった荷待ち時間に加えて、荷役作業もその対象となっています。

 

荷役作業または付帯業務とは?

改正貨物自動車運送事業輸送安全規則で、集貨地点などの荷役作業または附帯業務の実施乗務記録が記載対象に追加されていますが、具体的な「荷役作業または付帯業務」とは次のとおりです。

・荷役作業…積込み、取卸しなど

・附帯業務…荷造り、仕分、横持ち・縦持ち、棚入れ、ラベル貼り、はい作業など

なお、実施した荷役作業などがすべて契約書に明記されている場合には、所要時間1時間未満であれば荷役作業などの記録は不要とされています。

拘束時間に関する基準遵守など安全面、コンプライアンスの確保などの労務面、取引環境適正化などを実現させ、トラックドライバーの長時間労働の是正・改善させていくことを目指していきましょう。

「荷待時間・荷役作業等記録票」は、国土交通省が新たな様式としてフォーマットを公開しています。

記載事項となっている「荷役作業等の開始・終了の日時、荷役作業等の内容、荷主の確認に関する事項等」は適正に記録しなければなりません。

フォーマットを使わなくても、必要記載事項が網羅されている様式のものであれば乗務記録として利用可能です。