運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業者が知っておきたい法令「貨物自動車運送事業法」について

2021.10.02
分類:総務

運送業では、他業種にはない法令の遵守が必要となり、守らなければ罰金や業務停止などの対象となることもあります。

運送業で最も重要となるのが「貨物自動車運送事業法」で、貨物自動運送事業を正しく運営することを目的として制定された法律です。

健全経営で貨物運送事業を続けるためにも、必ず運送事業者が守らなくてはならないため、その内容を確認しておきましょう。

貨物自動車運送事業法で決められた条件

貨物自動車運送事業法では次の5つの条件を設定していますが、それぞれの内容についてご説明します。

営業所

営業所の条件は、

・建物が都市計画法・建築基準法・農地法などの法令に反していない

・営業所として適切な広さがある

・営業所が借入れのときは1年以上使用権限を保有している

といったことが挙げれられます。

車両数

営業所ごとで運行可能な車両は5台以上必要です。

この車両数は営業所を設置するための最低条件なので、5台以上のトラックが必要となる場合もあります。

車庫

営業所の条件と同じく、都市計画法・建築基準法・農地等の法令に違反していないことが必要です。

さらに、保有車両すべてを収容できる広さも必要となり、車庫の立地は営業所から10キロ以内でなければなりません。

東京特別区内・横浜市・川崎市など、都心部であれば営業所から20キロ以内でも可能です。

また、前面道路幅は6.5メートル以上で、営業所を借入れている場合には1年以上の使用権限があることも条件となります。

休憩・仮眠施設

休憩・仮眠施設は、都市計画法・建築基準法・農地法に抵触しないことが必要で、就寝スペースは1人あたり2.5㎡以上、体を十分休めることができる広さが必要となります。

また、営業所や車庫に併設されていること、施設を借りているときには1年以上の使用権限も必要です。

運送資金

申請直前の預金残高証明書の金額は100%以上が条件なので、事業を開設する許可を得るまでは、口座にお金を入れておく必要があります。

運送業務にかかる2か月分の費用を目安に保有しておくと安心といえるでしょう。

 

貨物自動車運送事業法を違反したときは処罰の対象

貨物自動車運送事業法に違反した状態で運送業を開始すると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金の対象となってしまいます。

仮に悪質性が認められてしまうと、3年以下の懲役と300万円以下の罰金両方の対象となり、仕事を続けることどころか始めることはできなくなりますので注意しましょう。