運送会社はドライバーの健康管理を適切に行うことが大切ですが、その役割を担うのが運行管理者です。
自動車の安全運行を確保するため、点呼などの機会を通じドライバーの健康を管理します。
効果的に実施するためには、運送事業所内がドライバーの健康を気遣う雰囲気であることが求められますが、仮に体調が十分でないときに仕事をしてしまうと、健康起因事故など発生する可能性もあります。
健康起因事故は日常から健康管理が充実させておけば十分防ぐことができるため、運行管理とともにドライバーの健康管理をしっかり行っていくようにしましょう。
ドライバーが健康な状態でハンドルを握り、運転できるようにするためにも次のような流れで健康管理を行うようにしてください。
①定期健康診断など実施する
②診断結果などで異常が見つかったときには、医師からの意見を聴取する
③ドライバーの就業上の措置を取る
④ドライバーの日常的な健康管理を行う
⑤乗務前点呼を実施する
⑥乗務の判断をする
⑦乗務時の対処を行う
国土交通省に報告があった健康起因事故のうち、その3分の2を占めるのが脳出血や心筋梗塞などです。
ドライバーの健康管理を行う場合、運転・休養・生活習慣の改善・自己管理などに重点を置き、これらの疾患を特に注意することが必要といえます。
十分に健康管理を行っていた場合でも、ドライバーが急に体調が悪くなる可能性もあります。
そのような場合に備え、事前に運転中に体調に異常を感じたときにはどうするかマニュアルを準備するなど、対応方法を伝えておきましょう。
ドライバーには必ず健康診断を受診させるようにする必要がありますが、
・雇入時の健康診断
・雇用後の定期健康診断
・特定業務従事者(深夜業に従事する場合)
は法令により義務付けられています。
深夜業に従事する場合は、6か月以内ごと1回以上のサイクルで健康診断を行うようにしてください。
もし健康診断で異常の所見があったときには、
・医師に対しドライバーの乗務の可否や、乗務させるときの配慮事項の意見を求める
・配慮事項の意見は健康診断個人票の「医師の意見」欄に記入してもらう
・健康上の問題点を明確にするため、必要に応じ精密検査など受けるようにドライバーへ指導する
といった対応が必要となります。
そして医師から適切な意見を得るために、
・職業がドライバーであること
・想定される運行スケジュール
・乗務前点呼で体調確認を行っていること
など医師に伝えるようにしましょう。