運送業の人事担当者は、人材を採用するときや育成すること以外に、違反行為をした社員を懲戒処分することも仕事になります。
この懲戒処分とは、本来果たさなければならない業務や規律に違反したことに対して制裁として行う処分ですが、風紀を乱す行為なども該当するのでしょうか。
そこで、懲戒処分の対象となる行為とはどのようなモノが挙げられるのか、その内容について説明します。
運送業で従業員を懲戒処分するときには、本当にその処分が妥当な内容か、十分に考慮した上で決定することが必要です。
懲戒処分は「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当である」の2つの基準で検討することが必要であり、個人的な感情は含めずに客観的な倫理で決めることが求められます。
懲戒処分の対象となる事例として、
・私生活での非行
・業務に関する背任行為
・就業規則違反
・風紀を乱す行為
などが挙げられますが、それぞれ詳しく説明していきます。
「私生活での非行」として挙げられるのは、主に次のような行為があったときです。
・通勤中、電車内で痴漢行為を行ったことで逮捕されたとき
・飲酒により警察沙汰のトラブルを起こしたとき
・社員にストーカー行為を行い大きなストレスを与えたとき
「業務に関する背任行為」として考えられる行為には次のようなことが挙げられます。
・会社の売上金を着服・横領したとき
・売上を流用している社員の存在を知りつつ報告しなかったとき
・取引先や下請けから個人的な謝礼などを受け取っていたとき
「就業規則違反」に該当するのは次のような行為です。
・業務にかかわる経歴を詐称していたとき
・2週間以上無断欠勤したとき
・許可されていないアルバイトをしたとき
・社外持ち出し厳禁のデータを持ち出したとき
「風紀を乱す行為」としては、主に次のような行為が該当します。
・不倫をした社員の配偶者から苦情電話が頻繁に入るようになり業務に支障をきたしたとき
・社内でのセクハラ行為やパワハラ行為などをしたとき
懲戒処分には7つの種類あるため、どのような処分内容になっているのか理解しておきましょう。
・勧告…従業員に対し口頭で反省を求める
・譴責…従業員に対し書面で反省を求める
・減給…従業員の受け取る給与から一部を差し引く
・出勤停止…一時的に出勤させない
・降格…役職や職業資格など引き下げる
・諭旨解雇…会社と従業員が話し合いを行い、納得の上で解雇する
・懲戒解雇…会社側が一方的に従業員を解雇する