運送業で働くドライバーは、荷待ち時間や道路状況なども関係して、予想していたよりも労働時間が長くなる傾向が見られます。
しかしドライバーの勤務体制については労働基準法の改正点も注意した見直しが必要であり、発生した時間のロスを労働とみなすかによって待遇面にも影響が出ることを理解しておく必要があります。
そこで、運送業が注意しておきたいドライバーの勤務体制について、労働基準法の改正部分などを確認しながら解説していきます。
2019年、働き方改革の一環として労働基準法の一部が改正されています。
運送業も他人事ではなく、2024年からは罰則付き時間外労働上限規制が導入されることになるため、労働環境改善に向けた取り組みを進めていくことが必要です。
運送業の労働基準法の改正は以下のとおりとなっているため、その内容を確認しておきましょう。
トラックドライバーは、顧客から荷物を受け取り目的地まで配達するまで業務を一貫して行います。
そのため拘束時間があいまいになりがちですが、ドライバーについては1日の上限を13時間までとする定めに従うことが必要です。
延長するときも最長16時間までであり、拘束時間が15時間を超えてよい日数は1週間のうち2日以内と決められているため注意しましょう。
なお、休憩時間は拘束時間に含まれることから労働と切り離して考えることはできないため、食事休憩で1時間付与したときには食事休憩1時間も拘束時間に含んで13時間までとします。
36協定(サブロク協定)とは、法定労働時間を超えて労働者に働いてもらう場合、労使間で契約を結び書面を取り交わしておく協定です。
契約を取り交わした事実は、所轄の労働基準監督署長に届出ておくことも必要となります。
なお中小企業は2020年4月から罰則付き上限が設けられており、6協定を締結した場合でも月45時間・年360時間を超えて時間外労働をさせることはできません。
トラックドライバーの場合、途中で仮眠を取ることも必要となるでしょうが、この時間も休憩時間と同じく拘束時間に含まれます。
単に作業をしていなかったり走行していなかったりするからといって、賃金が発生しないというわけではありません。
労働時間の上限の13時間から仮眠や休憩の時間を差し引いて考えることもできないため注意しましょう。