近年ではインターネット通販が普及しており、自宅に居ながら便利に買い物を楽しむことができます。
それに伴い、宅配や配送業務も急速に増えている状態であり、増加する荷物をスムーズに運ぶことができるよう、物流の効率化も求められるようになりました。
ただ、運送頻度が増え拠点配送も飛躍的に増加したことにより、荷物へのタッチ数、輸送積替数の増加、荷物に衝撃を与える場面なども増える結果となり、もし運送事故などが発生してもどこで荷物に対して影響が及んだのか特定しにくい状況となっています。
もし運送事故が発生したときには、事故発生の連絡はありますが、また同じ事故を起こさないように指導されるだけという場合もあるようです。なぜなら具体的にいつどこで、どのようなタイミングにおいて事故が発生したのか判断できないことから、適切な改善策を検討できないからといえるでしょう。
品質事故がなくならないのも、このように事故原因が発生したタイミングが明確に把握できないことにあります。
汚破損、温度・湿度管理など、いずれも物流品質の基本といえる重要な管理項目ですので、どの企業でも倉庫や物流拠点、輸送・配送中、車両内での管理には力を入れていることでしょう。
しかし、それぞれの管理には力を入れていても、物流過程全体を通した管理体制はありません。もし物流過程全体を通した管理を行うのなら、まず品質事故がいつどこで、どのような原因で発生したのか具体的に把握し、全体を通した管理を可能とする仕組みを構築することが必要になります。
それでも物流事故を防ぐために、事故発生の原因として次の要因が影響することを知っておくようにしましょう。
日常的に衝撃を伴う荷扱いが行われていないか確認してみましょう。衝撃が原因の破損などの事故は、配送上で発生していることが多いようです。
冷凍管理が必要なのに、運ぶ途中で0度以上のまま放置されていないでしょうか。適切な温度管理が行われていなければ、商品の質を低下させ、劣化や腐敗させてしまうことになります。
天地無用のマークを貼り付けていたのに、大きな傾斜があったことにより形骸化するといったケースもあります。ケアマークなどが貼られている荷物を適切な方法で扱っているか確認するようにしてください。