運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業が決しておろそかにしてはいけない苦情への適切な対応方法とは

2022.08.22
分類:リスク

運送会社に対し、一般の方から苦情が入ることもあります。

苦情の内容も様々ですが、直接、運送会社に対してクレームが入るならまだよいものの、苦情を伝える相手次第で運輸監査になってしまう場合もあるようです。

そこで、運送業が決しておろそかにしてはいけない、苦情への適切な対応方法について説明していきます。

周辺住民からの通報で口頭指導

夜間などは公園の駐車場に停まっている車も少ないため、特に問題ないだろうとトラックを駐車していたとします。

しかし周辺住民から警察に通報があり、その結果、国土交通省から口頭指導を受けてしまったというケースもあるようです。

国土交通省からの口頭指導後は、クレーム再発防止に関する安全教育資料を提出し、監査には至らなかったようですが、周辺住民からの苦情でも監査に発展するリスクは十分考えられるということになります。

仮に監査になれば、安全指導監督の実施状況や、その他の法令順守状況まで確認されることとなり、法令違反があれば行政処分の対象となってしまいます。

 

苦情を無視すれば厳しい処分を受けるケースもあり

この苦情のケースでは、ドライバーが自宅に直帰した際に、家に駐車スペースがなく公園の駐車場を利用したとされています。

しかし夜間、駐車したままの状態に不審感をおぼえた周辺住民が警察に通報し、警察は事業用トラックだったため運輸支局にその事実を伝え指導を求めたようです。

国土交通省の公示である「自動車運送業の監査方針について」には、監査対象に「苦情等の状況を勘案し、監査を行うことが必要と認められる事業者」を規定しています。

そのためただの苦情だとしても、法令違反も隠れていると考えられれば、監査を実施することになるようです。

運輸支局から連絡があった運送会社の社長は、その翌日ドライバーと配車係を集め、指導を行いました。

その旨を運輸支局担当者に伝えたところ、すぐに指導記録を送るようにいわれ、FAXですぐに送信できたため監査には至らなかったようです。

 

つねに誰かに監視されていると念頭に置いて働くことが重要

運送トラックでありがちな苦情の種類として、公道で危険運転をしていたケースです。

無理な追い越しや危険な幅寄せ、強引な割り込みなどは苦情の対象となりやすいですが、現在は多くの乗用車がドライブレコーダーを装着しており、スマートフォンなどでも撮影できるため証拠として残されてしまいます。

その証拠を運輸支局に持ち込まれてしまえば、呼出し指導の対象となるでしょう。

仮に撮影者がインターネット上に投稿すれば、運送会社の社会的信用は一気に下がります。

そのためドライバーは、常に誰かに監視されていることを念頭に置き、安全運転を心掛けることが大切です。