運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送事業者が重大な自動車事故を起こしたときに必要な手続とは?

2023.05.10
分類:リスク

トラックドライバーは、肉体労働である上に不規則な労働時間なども重なり、ときに交通事故など起こしてしまう場合もあります。

 仮に重大な自動車事故を起こしてしまったときには、30日以内に自動車事故報告書を運輸支局長に提出しなければならないと決まっています。

 そこで、運送事業者が重大な自動車事故を起こしてしまったとき、どのような手続が必要になるのか解説していきます。

重大な自動車事故を起こした際に必要な対処

 重大な自動車事故を起こしてしまったときには、事故から30日以内に自動車事故報告書を運輸支局長に提出することが必要です。

 転落・転覆・火災・踏切事故により死者または重傷者が出てしまったときや、危険物などの飛散・漏えいなどがあったとき、国土交通大臣から指示があったときには24時間以内に事故概要を運輸支局長へ速報しなければなりません。

 30日を超えた日に事故報告規則に該当すると判断されたときや、事故当時は負傷者の傷害などの程度が把握できなかったものの30日を超えてから重傷事故に該当することを知ったときには、知ったときに報告書を提出することになります。

  

事故報告書を出さなければならない重大事故の種類

 事故報告書の提出が必要になる重大事故として、次のような種類の事故が挙げられます。

 ・転覆…自動車が道路上で、路面と35度以上傾斜した場合

・転落…自動車が道路外に転落し、落差が0.5メートル以上の場合

・路外逸脱…自動車の車輪が道路外に逸脱した場合で、転落以外の場合

・火災…自動車または積載物品に火災が発生した場合

・踏切…自動車が踏切で鉄道車両または軌道車両と衝突・接触した場合

・衝突…自動車が鉄道車両または軌道車両・トローリーバス・自動車・原付自転車・荷牛馬車・家屋などに衝突・接触した場合

・死傷…死者または重傷者が出た場合

・危険物等…自動車に積載していた危険物・火薬類・高圧ガス・核燃料物質などの全部または一部が飛散・漏洩した場合

・車内…操縦装置または乗降口扉を開閉する装置の不適切な操作で、旅客を死傷させた場合

・飲酒等…酒気帯び運転・無免許運転・大型自動車等無資格運転または麻薬等運転などの行為を伴う事故の場合

・健康起因…運転者の疾病で自動車運転を継続できなくなったことによる事故の場合

・救護違反…救護義務違反があった場合

・車両故障…自動車装置の故障で運行できなくなった場合

・交通障害…橋脚・架線・その他鉄道施設を損傷し3時間以上本線で鉄道車両の運転を休止させた場合や、高速自動車国道または自動車専用道路で3時間以上自動車の通行を禁止させた場合

・その他…10人以上の負傷者が出た場合・10台以上の自動車の衝突または接触を生じた事故の場合・自動車に積載されたコンテナ落下の場合・車輪脱落や披けん引自動車分離が起きた場合