運送業では、輸送の破損トラブルを発生させないように注意することが必要です。
しかしどれほど注意して荷物を輸送していたとしても、物流の過程において破損トラブルが起こってしまうケースも見られます。
そこで、輸送における破損トラブルについて、発生するタイミングや原因、起こりやすい作業などを紹介していきます。
輸送中に破損トラブルが起こってしまうケースとして、落下・振動・転倒・衝突・荷崩れ・フォーク付きあて・水濡れ(汚れ・カビ・錆び)などが挙げられます。
破損トラブルの6~7割が落下によるものであり、外から何らかの衝撃が加わったことにより、破損してしまったというケースが多いようです。
そのため破損トラブルを防ぐために、衝撃対策を講じることが前提といえます。
なお、破損トラブルの発生タイミングは、
・積み込み作業中
・積み下ろし作業中
・海外輸送中
・荷役中
などが多いとされています。
人の手を介することで破損リスクは高くなると理解しておきましょう。
破損トラブルが起こりやすいのは、人の手が介在する作業です。
そのため荷物を扱うときに十分に注意することが必要であり、梱包段階においても次の対策が必要といえます。
・衝撃検知シールや衝撃レコーダーの使用を検討する
・梱包強度(包装設計)を見直す
・取扱注意を促す
・安全研修教育を徹底して行う
・緩衝材で補強する
・安全備品を設置する
衝撃が発生した確認ができる衝撃検知シールなど、ツールを使うことで実際の衝撃の有無は確認できます。
しかし衝撃の有無の確認よりは、衝撃を受けない状態を確保することが必要です。
さらに衝撃による破損の可能性を示すだけで、必ずしも破損トラブルが衝撃によるものと証明できるわけではありません。
輸送における破損トラブルを防ぐためには、以下のことを徹底して行うようにしましょう。
・整理整頓・清掃など環境整備を徹底する
・動線場所に荷物を置かない
・倉庫内の棚や機械を固定する
・荷崩れ防止や落下防止のアイテムを導入する
・作業では声かけを徹底する
なお、配送における破損トラブルについては、商品が梱包されており、事前にワレモノであることが伝えられていたのに不注意で運送業者が破損させてしまったのなら、当然運送業者が責任を負います。
配送中の事故については、運送約款の内容に従って補償することになると理解しておきましょう。