トラックが横転するのは、重心の位置が高い車体が安定せず、カーブで遠心力が働いてしまうからです。
走行中のトラックが横転すれば大事故になってしまいますが、その原理を理解した上で事故を防ぐことが大切といえます。
そこで、トラックが横転する理由について、重大事故を起こした時の対応を紹介します。
トラックは横転する理由として、重心の位置が関係します。
車両は重心の位置が低ければ安定しますが、反対に高くなれば不安定になります。
トラックは高さがあるため、重心も上がってしまい、低速でゆるいカーブを曲がるときでも注意が必要です。
旋回するときには遠心力が働き、車体をもとに戻そうとする力より、倒そうとする力が大きくなります。
傾き車幅の外へ重心が出てるため横転してしまいます。
仮にトラックの車両の重量が大きく、旋回速度を落とさない状態で旋回半径が小さければ、遠心力は大きく働くため横転するリスクは高まります。
倒そうとする力は重心が高く、遠心力が大きいほど強くなると理解しておきましょう。
「転覆」とは、列車や船舶がひっくり返るときに使う言葉です。
「横転」は、横向きに倒れることを意味します。
さらに「転倒」は、人間や動物が動いているとき、立っている姿勢を保てず地面などに倒れることをあらわします。
重大事故とは、以下の事故です。
・転覆…自動車が道路上で路面と35度以上傾斜した場合
・転落…自動車が道路外に転落し、その落差が0.5メートル以上の場合
・火災…自動車または積載物に火災が生じた場合
・踏切…踏切で鉄道と衝突または接触した場合
・死傷…死者または重傷者を生じた場合
・危険物等…指定の積載物の全部または一部が飛散・漏えいした場合
・車内…操縦装置または乗降口の扉を開閉する装置の不適切な操作で、旅客に傷害が生じた場合
・健康起因…運転者の疾病で運行できなくなった場合
・車両故障…自動車の装置の故障で運行できなくなった場合
・国土交通大臣が報告を指示したもの…飲酒・酒気帯び・無免許・無資格・薬物の乱用・居眠りなど悪質な法令違反で事故を起こしたときや、車輪脱落・トレーラーの離脱などの故障があった場合
重大事故を起こしてしまったときは、まずは所管の運輸支局整備課窓口へ電話連絡しましょう。
届出が必要ですが、提出時期は事故を引き起こして30日以内です。
転落・転覆・火災・踏切事故で、事故により死者または重傷者を生じたときや、危険物などが飛散・漏えいしたときなどは㉔時間以内に事故概要を運輸支局長に速報しなければなりません。