運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

トラックが横転する理由とは?重大事故を起こした時の対応を紹介

2024.09.05
分類:リスク

トラックが横転するのは、重心の位置が高い車体が安定せず、カーブで遠心力が働いてしまうからです。

 走行中のトラックが横転すれば大事故になってしまいますが、その原理を理解した上で事故を防ぐことが大切といえます。

 そこで、トラックが横転する理由について、重大事故を起こした時の対応を紹介します。

トラックが横転する理由

 トラックは横転する理由として、重心の位置が関係します。

 車両は重心の位置が低ければ安定しますが、反対に高くなれば不安定になります。

 トラックは高さがあるため、重心も上がってしまい、低速でゆるいカーブを曲がるときでも注意が必要です。

 旋回するときには遠心力が働き、車体をもとに戻そうとする力より、倒そうとする力が大きくなります。

 傾き車幅の外へ重心が出てるため横転してしまいます。

 仮にトラックの車両の重量が大きく、旋回速度を落とさない状態で旋回半径が小さければ、遠心力は大きく働くため横転するリスクは高まります。

 倒そうとする力は重心が高く、遠心力が大きいほど強くなると理解しておきましょう。

 

転覆と横転の違い

 「転覆」とは、列車や船舶がひっくり返るときに使う言葉です。

 「横転」は、横向きに倒れることを意味します。

 さらに「転倒」は、人間や動物が動いているとき、立っている姿勢を保てず地面などに倒れることをあらわします。

  

 重大事故を起こした時の対応

 重大事故とは、以下の事故です。

 ・転覆…自動車が道路上で路面と35度以上傾斜した場合

・転落…自動車が道路外に転落し、その落差が0.5メートル以上の場合

・火災…自動車または積載物に火災が生じた場合

・踏切…踏切で鉄道と衝突または接触した場合

・死傷…死者または重傷者を生じた場合

・危険物等…指定の積載物の全部または一部が飛散・漏えいした場合

・車内…操縦装置または乗降口の扉を開閉する装置の不適切な操作で、旅客に傷害が生じた場合

・健康起因…運転者の疾病で運行できなくなった場合

・車両故障…自動車の装置の故障で運行できなくなった場合

・国土交通大臣が報告を指示したもの…飲酒・酒気帯び・無免許・無資格・薬物の乱用・居眠りなど悪質な法令違反で事故を起こしたときや、車輪脱落・トレーラーの離脱などの故障があった場合

 重大事故を起こしてしまったときは、まずは所管の運輸支局整備課窓口へ電話連絡しましょう。

 届出が必要ですが、提出時期は事故を引き起こして30日以内です。

 転落・転覆・火災・踏切事故で、事故により死者または重傷者を生じたときや、危険物などが飛散・漏えいしたときなどは㉔時間以内に事故概要を運輸支局長に速報しなければなりません。