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破損トラブルとは?輸送事故の原因や破損の責任・補償を簡単に紹介

2024.09.10
分類:リスク

物流・運送における破損トラブルとは、たとえば箱などの外装が潰れたり壊れたりすることや、収納された製品などの内部破損のどちらも含みます。

 原因の多くは衝撃による破損であり、落下・衝撃・転倒・荷崩れ・衝突などによるものです。

 人の関わる荷役作業と、道路状況や運転技術で左右されやすい長距離輸送のときに多く見られます。

 そこで、破損トラブルについて、輸送事故の原因や破損の責任、補償を簡単に紹介します。

国内輸送事故の原因

 国内輸送事故の状況は以下のとおりです。

 ・破損・曲損・凹損・変形…77

・濡損…8

・抜荷・不着・欠損…4

・汚損・汚染…3

・凍結・解凍…3

・変色・変質・劣化・腐敗…2

・その他(着臭・漏損・錆損・機器作動不良・乾燥事故など)…3

 圧倒的に多いのが破損などの物理的な損害であり、荷崩れや荷動きなどで発生します。

 荷扱不良や、急ブレーキ・急ハンドルなどの運転不注意が原因とされているため、ドライバーはよりトラックの運転に注意するべきです。

 貨物の性質を理解し、丁寧な荷扱いを行うことや、安全な輸送・運行を心掛けることが求められます。

 また、衝撃に耐えることのできる梱包を施すことも重要です。

  

 輸送中の破損の責任

 製品の輸送中、損傷を受けてしまったときの責任は、運送業者・配送業者・販売会社のいずれかによることがあります。

 宅配便で荷物発送を依頼したものの、運送業者の過失で荷物が破損したときは、運送業者が損害賠償責任を負います。

 送り主である荷送人と運送業者の間では契約関係が認められるため、法的な関係は約款によることを原則とします。

  

破損への補償

 輸送における荷物の破損に関する補償は、輸送会社が対応します。

 金額は30万円を上限としていることが多いものの、以下のケースにおいては補償対象外になる場合もあるようです。

 ・破損しやすいことや荷物の向きに注意が必要であることを配送業者へ伝えていなかった場合

・荷物の受取人に引き渡した後で一定の日数が経過したものの連絡がなかった場合

・荷物の破損について輸送業者の落ち度が認められない場合

 

 契約書による取り決めも必要

 契約書で、責任の範囲と所在を明確にしておくことが必要といえます。

 運送事業者に約款を提示して補償を求めたのにも関わらず、役にも立たないといった声もあるようですが、一般消費者の過剰な反応に対する荷主と事業者の共通認識があるのも事実です。

 そのため、まずは約款を周知し、どのようなときが補償対象なのか、双方が理解を深めておくことが必要といえます。