
運送会社のコスト構造は、燃料費と人件費の単純な枠組みではなく、外部環境と法規制強化などで変化しています。
変化している要因を分析すると、出費が増えたのではなく、物流の持続を担保するために必要な必要経費に性質が変わっているといえるでしょう。
荷主も、コスト構造が変化している要因を正しく理解し、荷待ち時間短縮や積載率向上などの現場改善における協力姿勢が求められます。
運送会社と荷主がコスト構造を透明化し、納得できる適正運賃での運送を実現させることが、安定供給を実現する一歩になります。
そこで、運送会社のコスト変更の要因について、構造・外部・戦略などを背景とした内容を解説します。
運送会社のコスト構造の変化の要因となっている1つに、労働構造が変わったことが挙げられます。
これまでは、ドライバーの長時間労働に頼っていた場合、時間外労働の制限など労働時間が制限されたことで、同じ量の荷物を運べなくなっています。
同量の荷物を運ぶためには、より多くの人員を確保しなければなりません。
若年層の入職者も増えず、既存のドライバーの高齢化も進んでいるため、求人広告費や賃金単価上昇などは避けられないコスト増大要因といえるでしょう。
社会保険の加入徹底や、適切な休憩施設整備など、現場の努力で隠れていたコストの表面化なども問題視されています。
運送会社のコスト構造は、社会的経済情勢に敏感なコスト受動型産業であるため、エネルギーなどの外部的要因も受けやすいといえます。
原油価格変動や為替の影響などは営業利益を直撃する要因であり、燃料サーチャージ制度の導入などでコスト変動に対応しています。
また、半導体不足や原材料費高騰により、運送トラックの車体価格も上昇傾向にあります。
自動ブレーキなどの安全性能も高度化しているため、今後はさらにトラック1台あたりの購入や維持にかかるコストは増えることが予想されます。
運送会社に限らず、今後は様々な業界でDX化が進むと予想されます。
未来へ適応するための前向きなコスト増も、コスト構造や相場を変える要因です。
運行管理システム・AI配車計画・オンライン点呼システムの導入などにおいては、初期費用と運用保守費が発生します。
長期で見れば、効率化に寄与し回収できる費用といえるものの、短期的に見ればコスト変更を促す要因になります。