
2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルス感染症が流行したことにより、発出されたのが緊急事態宣言です。
緊急事態宣言下において運送会社は、物流が社会の生命線であることを再認識し、事業の在り方について見直しも行いました。
そこで、緊急事態宣言下における運送会社の対応について、当時の役割や影響を解説します。
緊急事態宣言下における運送会社の主な役割は、エッセンシャルサービスとして、社会の安定と市民生活の維持に欠かせない物流機能を止めずに継続することです。
企業が休業やリモートワークを導入する中でも、運送会社は止められない社会インフラとして稼働を続けなければなりません。
食料品や医療物資を届けるためにも、エッセンシャルワーカーとしての使命感を胸に走り続けます。
緊急事態宣言下の外出自粛は、人流を抑制(三密回避・20時以降外出自粛・テレワーク7割推進など)して感染拡大を防ぐことを目的とします。
経済活動が停滞することや、人と接触しないことへのコミュニケーション不足、買い物や運動に制限がかけられるなどで心理的な不安をもたらしたともいえます。
特に夜間の人出は大幅に減少しましたが、EC利用やテイクアウトは増えたため、生活様式自体が変わったといえるでしょう。
ネット通販利用も急増し、宅配便の取り扱い個数は過去最高水準へ達しました。
急激に荷物量が増えたため、現場のドライバーや仕分けスタッフが足らず、平時をはるかに超える業務負担での過重労働などへの対応も課題になったといえます。
ただし、県外ナンバートラックへの中傷や、配送員がウイルスを蔓延させているかのような差別発言なども問題視されました。
事態が進むとそのような差別的な視線も少なくなり、物流への感謝へ変わったことも記憶に新しい出来事です。
運送会社の営業所の一人が感染すれば、営業所全体が閉鎖されて、地域物流が麻痺してしまう恐れもありました。
そのため、マスク着用とアルコール消毒、点呼時の検温など、厳しく衛生管理を徹底しました。
しかし、対策コストはすべて会社負担となるため、経営を圧迫する一因になったともいえます。
受領印を必要としない置き配や、非対面での荷受けが急速に浸透するきっかけになり、再配達削減の課題解決にも寄与しました。