
運送会社は物流インフラを担う存在ですが、会社経営におけるリスクヘッジは守りの戦略に留まらず、利益確保と事業継続のための攻めの経営戦略ともいえます。
そこで、運送会社のリスクヘッジにはどのような手段があるのか、物流を止めないための危機回避方法を解説します。
運送会社にとって、最大の経営リスクとなる交通事故は防がなければなりません。
トラックには、ドライブレコーダーやテレマティクスを導入して運転挙動を可視化することや、ドライバーに対して定期的に安全教育を徹底して行いましょう。
また、対人・対物無制限保険へ加入しておくことも、経済的な備えとしてリスク最小化につながりまます。
地震や豪雨で道路網が遮断されてしまうと、物流機能は停止します。
そこで、以下を事前に行っておくことで、有事における物流機能維持や早期復旧につながります。
・代替ルートを事前に確保しておく
・クラウド活用による運行管理システムを導入する
・自家給油施設を設置する
燃料価格が高騰することは、運送会社の財務や利益に大きなダメージを及ぼします。
リスクヘッジのために、燃料価格の変動に対してはサーチャージ制(燃料価格連動型運賃)を導入することについて、荷主と合意しておきましょう。
エコドライブを徹底し、低燃費車両へトラックを更新することも有効です。
運送業界は、人材不足と採用難が深刻であり、荷物を運びたくても運べない状況ともいえます。
リスクヘッジのためには労働環境の整備が急務であり、無理のない配送スケジュールを構築させることや、福利厚生の充実を図って離職率を低下させましょう。
荷主を多様化させ、特定の取引先に依存する体制から脱却しましょう。
大型荷主に対する依存度が高いと、企業の業績悪化が自社存立を脅かす問題に発展します。
営業活動を強化して取引先を分散させて、売上の急減リスクを回避しましょう。
サイバー攻撃で運行データや顧客情報が漏洩し、システムダウンすることは避けなければなりません。
リスクヘッジに向けて、強固なセキュリティ対策を導入し、アナログ管理からデジタル管理へ移行するなど、業務の停滞リスクを防ぎましょう。
過労運転や過積載は、行政処分で車両停止や事業許可の取り消しになる恐れがあります。
労務管理ソフトの活用や点呼の徹底などで、法令を守らざるを得ない仕組みを構築しましょう。
梱包資材の改善や荷扱いに関する指導を徹底することや、運送受託物賠償責任保険へ加入することで、荷物の破損や紛失へのリスクヘッジにつながります。
予期せぬ巨額賠償リスクを回避するためにも、荷主との間で責任の所在を明確化した契約書を締結しておきましょう。