
運送会社による徹底したリスクマネジメントは、物流を止めないための取り組みです。
トラックを使う仕事であるため、交通事故や荷物の破損以外にも、災害や感染症、サイバー攻撃など様々なリスクに脅かされています。
不測の事態を予測しつつ、被害を防ぎ、最小限に抑えて迅速に復旧するためのリスクマネジメントは欠かせません。
そこで、運送会社のリスクマネジメントについて、物流を止めない現場の守りの技術を解説します。
運送会社の最大のリスクは交通事故といえます。
従来までは、ドライバーが交通事故を起こさないように注意するしかありませんでしたが、現在では高度なデジタル技術での予防に進化しています。
たとえば、ドライブレコーダーとAIを連携させることで、車間距離を詰めすぎたり脇見運転をしたりした場合に、リアルタイムで警告をします。
蓄積した走行データを分析して、それぞれのドライバーの運転傾向を可視化し、最適な安全指導もできるようになりました。
交通事故が起こってから対処するのではなく、事故の芽は事前に摘む取り組みが安全を支えます。
運送会社が預かった荷物は、指定された場所まで安全に届けなければなりません。
特に、精密機器・医薬品・生鮮食品の輸送は、振動や温度の変化がリスクに繋がります。
そこで、トラックには高度な防振サスペンションや遠隔監視の温度管理システムを備えています。
高額商品は盗難被害に遭う恐れがあるため、GPSによる常時追跡と厳格な走行ルート固定、さらに配送拠点での生体認証導入などでセキュリティ対策が強化されています。
台風や豪雨などの自然災害は、物理的に物流を遮断してしまいます。
どのルートが危険か予測する防災行動計画の策定は欠かせず、自然災害発生時には無理な運行を強行せずに、配送停止の判断も重要です。
高速道路が通行止めになった際の代替ルートの選定や、トラックから鉄道や船舶へ切り替えるモーダルシフトなど、どのような状況においても物流を維持する体制が求められます。
物流のデジタル化が進むその一方で、システム停止や個人情報漏洩などのサイバーリスクは脅威といえます。
オンライン化が進むと、システムダウンですべてのトラックが立ち往生することになるため、強固なファイアウォールを構築したりバックアップを徹底したり、サイバーセキュリティ教育を強化することが必要です。