
世界恐慌とは、1929年10月にアメリカ・ニューヨークで株価が大暴落したことをきっかけに、世界中を巻き込んだ世界的経済不況です。
未曾有の経済危機でヒトやモノの動きが停滞する中、運送業界でも物流を担う上での打撃を受けつつも乗り越えました。
そこで、世界恐慌と物流の歴史について、運送会社の変遷を解説します。
世界恐慌は、劇的に貿易を減少させて消費を冷え込ませたといえます。
運送会社は物流最前線にいたため、世界恐慌によるダメージは壊滅的だったといえますが、たとえば以下の状況に直面することになりました。
・世界的ブロック経済や関税引き上げで貿易量が激減し貨物取扱量も低下した
・限られた仕事を奪い合う安売り競争が横行したことで過当競争と運賃暴落が起こった
・荷主の倒産が相次いだために資金繰りの悪化と連鎖倒産に追い込まれた
世界恐慌による経済の混乱は、これまでの物流システムに大きな変化を強いたといえます。
その結果、生き残りをかけたコスト削減に奔走することとなり、大量在庫のリスクを避けるための小口輸送への転換が求められました。
鉄道輸送から、柔軟で小回りの利くトラック輸送へのシフトも急速に進んだともいえます。
ただし、限られた人手での現場対応は、長時間労働や過積載が常態化する結果となり、労働環境悪化が問題視されました。
市場の混乱を収めるために、国は運送事業に対する法規制を強化し、統制へと乗り出しました。
たとえば、国の最低運賃設定による公定価格制導入で、過当競争による運賃暴落を防ぐ措置などです。
事業免許制度を設けて、無秩序な運送業者の乱立を防ぎ、質の低い運送会社の淘汰と適正化が進められました。
世界恐慌を契機に、運送会社では荷物の運び手からロジスティクスの担い手に進化したといえます。
徹底的に無駄を排除することで、生産から消費までを効率化する計画的なロジスティクスが誕生しました。
ドア・オブ・ドアの輸送実現の土台となったのが、トラックの性能向上と道路網の整備が進んだことです。
荷主のニーズに合った荷物の加工・梱包・保管・梱包などの総合的な物流サービス提供などで、生き残りをかけたサービス提供が進むきっかけになったともいえます。