
高齢化社会は、運送会社の人手不足を深刻化させる危機的問題であると同時に、新たなビジネスチャンスのきっかけにもなり得ます。
労働人口が減少することで、運送会社のドライバーを確保することや、持続可能な物流網の維持は最優先課題といえます。
その一方で、買い物弱者といわれる高齢層の見守りサービスやラストワンマイル配送など、地域社会を支えるインフラ的な役割にも期待が高まっています。
そこで、高齢化社会がもたらす運送会社への影響について、物流危機と新たに求められる役割を解説します。
高齢化社会で運送会社の人材不足が深刻化すると、以下の影響により物流市場の維持が難しくなると考えられます。
・ドライバーの深刻な高齢化
・労働時間の上限規制
・採用コストと教育費用の負担増
運送会社では、外出困難な高齢層の増加に伴って、モノを運ぶだけでない価値の提供を行っています。
たとえば、高齢化社会を支える以下の新サービスが挙げられます。
・ネットスーパーや地域商店と連携した日用品や食材を玄関先まで届ける即日配送の買い物サービス
・定期的な荷物の配達時に安否確認を行う見守りサービス
・配送の際に日常生活の困りごと(家具の移動や電球交換など)に対応する軽作業の解決サービスのパッケージ化
運送会社では、現場で働く高齢従業員が安心して働けるように、以下で省力化と負担軽減を目指す技術革新を進めています。
・パワースーツ(重い荷物の積み込みまたは荷下ろしにかかる身体的負担を大幅軽減できる装着型の装置)
・自動運転(システムがトラックなどの車両を動かし、荷物を運ぶ次世代モビリティ)
・AIによる集車・配車計画(人工知能を活用した運行ルートを最適化を自動でできるシステム)
過疎地や高齢化地域では、運送会社と他業界が垣根を越えて連携することによる地域社会との共生を進めています。
たとえば、路線バスや鉄道との連携による貨客混載で、乗客と一緒に荷物を運ぶ効率的な仕組みなどが挙げられます。
災害における物資輸送だけでなく、日常的に地域パトロールを行うことや、孤立化を防ぐ官民が連携した地域インフラ機能の推進などもその1つです。
その他、異なる運送会社が、地域ごとの荷物を1つの拠点に集約して運ぶ共同配送による配送網の維持なども活発化すると考えられます。