車を使って業務を行う物流の仕事において、陸運局や陸運支局とは切っても切れない関係といえます。
たとえば車検の手続きなどもその1つですが、新型コロナウイルスの影響で車検期間は延長されるといった措置もとられたのにもかかわらず、陸運局には連日多くの人たちが集まっていたようです。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月からは車検期間を延長するといった対応を行い、各地の運輸支局などに不要不急の来庁をしないことを呼びかけていました。
2月28日から、満了期間1〜2か月程度は延長するという措置を行い、車検証の有効期間が5月31日までのものは6月1日まで有効期間が延長されるという対応がとられていました。
名義変更などの登録について措置は設けられていませんでしたが、車検やその他登録手続きは陸運局まで行かなくてもオンライン手続き「ワンストップサービス(OSS)」で手続きも可能です。
ほとんどの都道府県で、このOSSを使い新車の新規登録を行ったり車検・移転・変更・抹消といった手続きが進められるということが一般的になっています。
オンライン上で手続きが可能な環境が整備されていながら、わざわざ陸運局まで出向く方はなぜ多かったのでしょう。
その理由として、新旧の車検証の差し替えは窓口で手渡しによるものに限られているからといます。オンライン上で手続きが可能でも、結局は紙の交換が必要になるので窓口まで足を運ばざるを得ない状況にあります。
結局車検証を受け取りに陸運局の窓口まで行く必要があるのなら、途中までオンラインで手続きせずすべて現場で済ませた方がよいと考えた方もいたことでしょう。
今後は車検証のICカード化など、陸運局まで出向かなくてもすべて手続きをオンライン上で済ませることができるようになると予想されます。
しかし現段階ではまだすべてをオンライン上で完了させる環境は整備されておらず、新型コロナウイルスの感染リスクがありながらも、直接窓口まで行くしかない状況です。
車検のオンライン申請も可能としながら、紙媒体の車検証を受け取るためには窓口に行く必要があるなら、何のためのオンラインシステムなのでしょう。
今回の新型コロナウイルス感染予防が必要という緊急事態下で、来庁を避けるために有効とされたはずのオンライン化ですが、15年も前から存在しながらいまだ十分な機能を果たせていない状況です。
早急に利用者目線に立ち、オンラインシステムを完全化させるべきといえるでしょう。