運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

災害への警戒が強まる中で物流を確保するために必要なことは?

2020.08.22
分類:リスク

豪雨や台風などにより災害が発生したときには、道路や鉄道などが寸断されてしまい配送が遅延したり、場合によっては中止したりといった対応が必要になることもあります。

ただし災害による影響を警戒し、ドライバーや荷物の安全をいち早く確認できるような状況を作っておけば、様々な不安を抱えずスムーズな対応も可能となるでしょう。

事前に警戒が必要とわかっている状況でも

たとえば事前に「大雨特別警報」が発令されているのなら、予定通りに配送ができないことや配送先での荷下ろしができる状況にないこと、道路が通行止めになったり渋滞したりすることなどを把握できるので、ドライバーや荷物の安全を確保するためという理由で配送を取りやめることもできるでしょう。

警報発令の際にこのような決断をしたものの、顧客側からの強い要望により業務を行なわなければならないという状況もあるようです。

十分に災害に警戒しなければならず、大きな被害が予想される状況で本当に輸送を可能とする体制は整備されていれば問題ないかもしれません。

しかし実際には、ドライバーを含む従業員や車両の安全を確保し、企業側の利益や信用も維持できるのかという点にも疑問が出てきます。

このような状況を防ぐためにも、物流を維持するために荷主と荷受け関係の企業が前もって取り決めを行っておくことが必要です。

実際に災害が起きてしまった後は道路も寸断されることや交通渋滞が発生することも予想されますので、有事における対応を事前に取り決めておくことで現場は混乱せずドライバーの安全も確保されることとなるでしょう。

 

大規模災害が発生した後で重視しなければならないことは?

大規模な災害が発生した後で求められることは、被災地域を早期に復旧すること、そして救援物資など必要なモノを運ぶ車両と輸送ルートを確保することです。

配送というニーズに加え、散乱したがれきなどを処理するなどの需要も高まるので、トラックなど大型車へのニーズも大きくなります。

車両を十分に稼働できればよいでしょうが、被災した地域では輸送を行う企業も被災しており、車両が足らなくなる可能性があります。

20113月に起きた東日本大震災のときには、特定の被災地域に対する輸送については、緊急時の対応としてレンタカーを利用することも認めた事例もあったようです。

発生した災害や被害の規模によっては、民間と国が協力しあいながら早期復旧を目指すことに視点を置き、特例として対応してもらえるケースもあると知っておくとよいでしょう。