運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流業界のシステム化に伴い拡大する情報の漏えいリスクへの対策

2020.09.10
分類:リスク

物流企業で行う業務はいろいろあり、それぞれに様々なリスクが存在します。その中でも情報の漏えいリスクには十分注意しておくことが必要となりますが、物流業界のシステム化に伴い、そのリスクは大きくなってきています。

顧客や取引先の情報だけでなく、物流企業で働く社員などの個人情報までしっかりと管理・運営することが必要です。

情報漏えいリスクはどこから発生?

物流企業では様々な情報を管理していますが、情報を管理するシステムがサイバー攻撃などを受けてしまった場合、外部にその情報が漏えいしてしまう可能性も出てきます。

外部からの攻撃以外にも、不正操作やサービスの障害などにより漏えいリスクは発生することとなりますが、情報が外部に漏れれば損害賠償責任を負うこととなり社会的な信用を失うことになりかねません。

そのためにも適切なセキュリティ対策を講じ、情報漏えいリスクに備えることが必要です。

 

情報漏えい問題を防ぐために

ある自治体の職員が、職場の自席で撮影した写真をSNSに投稿しました。しかし自席の机にあった民間企業の機密情報書類が映り込んでおり、問題となったことがあります。

そのため物流企業でも、職場にデジタル機器を持ち込むことは禁止するといったルールを設けることも必要です。

適切でない行為により、万一の漏えいリスクで会社が責任を負うことにならないためにも、ルールの設定と社員教育の徹底をしっかり行うことが必要となるでしょう。

具体的にどのようなケースで情報漏えいが起きやすいのか、事例などを紹介したケーススタディ形式での研修を社員向けに開催し、管理者にもマネジメント研修を実施するといったことが求められます。

 

危険なのはSNSへの投稿による漏えいリスク

近年ではSNSが広く活用されており、物流企業などでも自社で立ち上げ利用している場合もあるでしょう。

しかし投稿する際には、問題にならない内容か確認が必要ですし、社員個人のSNSに投稿する内容には社内の情報を含めないようにすることを徹底しましょう。

そして物流業界のSNSで炎上してしまう火種となるリスクのある投稿として、主に次のような例が挙げられますので注意してください。

・物流施設で扱う荷物に対する投稿

物流施設で保管する注目の品や新製品など投稿してしまうと、顧客の情報漏えいにつながる上に、窃盗犯などに狙われるリスクを高めてしまいます。

・送り先の情報を投稿

荷物がどこからのものか、どこに対して送るものかなどの情報も投稿してはいけません。知名度の高い商品の場合、情報漏えいであると問題になりやすいといえます。

・企業独自の作業内容の投稿

検品や保管などの作業は、物流企業それぞれの独自のノウハウも含まれていますので、その内容を投稿すれば競合相手にノウハウを盗まれる可能性もあります。