大地震が発生すると、被災地でものがなく苦しむ方に何とか物資を運んであげたいと思うものですが、仮に現地に行ったとしても無事に届けることができるとは限りません。
そこで、大地震が起きたときなどに被災地に対して、実際に物流のプロができることはなんなのでしょうか。
トラックドライバーはものを運ぶプロですが、被災地で活動するためのノウハウまで持っている方は一部といえます。
大地震などで災害が発生した直後に、支援物資など被災地に届けるラストワンマイルの物流を担うのは自衛隊の役目です。
しかし東日本大震災のときには支援物資が被災地までうまく届けられることができませんでしたが、その原因として考えられるのはオペレーションと倉庫機能、情報管理といえます。
災害が発生した後に被災地に届けられる支援物資は、都道府県に設置される支援物資一次集積場所や市区町村の二次集積場所、避難所、病院などの避難場所に輸送されます。
しかし東日本大震災では亡くなられた方が多く、本来集積場所とされていた場所が遺体安置所として利用されたことで、支援物資の倉庫機能不十分な状況となりました。
フォークリフト、トラックから集積場所までという人力横持ちを必要とする事態が起き、物流の本業ではない自治体職員の方たちが物流オペレーションを指揮したことで効率が低下したとも考えられます。
海沿いの市区町村などは自治体の職員の方たちも亡くなられており、職員の数が不足していた二次集積場所などは混乱を招くことになったのです。
そして通信手段も途絶えることとなり、被災地からの支援物資の要請が届きにくかったことも背景にあるといえるでしょう。
岩手県などは十分なスペースを確保できる県のイベント会場を一次集積場所としていたことや、トラック協会が早期に物流オペレーションに協力していたことなどで、物流のノウハウが活かされ混乱を招くことはなかったようです。
大地震が発生した直後に被災地までトラックを送り込むことはできなくても、たとえば倉庫オペレーションに従事しているなら支援物資の入出庫や効率的に物資配置を行うことを考えるといった協力が可能です。
実際、支援物資物流を早めに行い物流事業者の協力を得たところもあるので、できることを考え行っていくべきといえるでしょう。
支援は継続的に行うことが必要であり、災害が起きたいときに物流関係者にできることがあれば積極的に対応していくことが求められます。