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物流業界で重視しなければならないソーシャル・ディスタンス

2020.10.08
分類:リスク

物流業界大手として名高いアマゾン。そのアマゾンでは、物流センターでソーシャル・ディスタンスを確保するためにAIの活用を行うとしています。

アマゾンでは新型コロナウイルス感染拡大により、外出を控えようとする消費者から注文が激増している状況です。そこでアマゾンの物流センターで働く従業員の安全管理を適切に行うため、防犯カメラ・センサー・拡張現実(AR)など最新技術をいろいろと活用しソーシャル・ディスタンスに対応することを検討しているようです。

アマゾンが行うソーシャル・ディスタンスへの取り組み

新型コロナウイルス感染拡大で外出が規制され、買い物をインターネット利用で行う消費者が急増しました。

アマゾンの物流センターでも殺到する注文への対応に忙しくなったものの、現場で働く従業員からは職場の安全管理が適切に行われておらず、利益が最優先されているのでは?と批判が噴出している状況のようです。

アマゾン自体も方針擁護のため、感染対策について公表していませんでしたが、実際には倉庫内で社会的に距離を確保するため人工知能(AI)を活用していることを明らかにした次第です。

その内容は、施設で設置された防犯カメラの映像を分析しながら、距離が近くなりすぎる場合には警告を発するというものとされています。

すでに3月から運用開始中

AIはアマゾンのロボティクス部門の特別チームが開発した「Proxemics(プロクセミクス)」というシステムで、すでに20203月半ばから運用が開始されているとされています。

テクノロジーを駆使し物流センターでソーシャル・ディスタンスを確保できるようにしていますが、その1つとして世界1,000か所以上の拠点で導入されているようです。

防犯カメラの映像を数分ごとに取得し、人と人との距離が十分とられていない場合には状況を確認する部署へ送信されるというもの。

AIは人の大きさに基づき距離を割り出して危険の有無を判定するそうで、警告された画像の確認で感染リスクが高いと判断されれば設備管理責任者へ対応を促す仕組みになっています。

 

テクノロジーだけに頼るのは危険

テクノロジーにより新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための補助的な役割は果たせるでしょう。

しかしそれだけでは対策にはならず、マスク着用やソーシャル・ディスタンス確保、倉庫内の清掃など従業員それぞれが高い意識を持ち実施することが必要です。

テクノロジーは有用であるものの、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐにはソーシャル・ディスタンスを保とうとする個人の努力がより重要になるといえます。