運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流業界でも注目されているグローバリズムとは?

2020.10.17
分類:リスク

グローバリズムとは、国を超え地球全体を一共同体としてとらえる考え方のことです。国家や地域など独自性を越えて、政治や経済・商業、文化などにおいて単一した制度や仕組みを作ろうとする姿勢や考え方のことといえます。

物流業界でも注目されているグローバリズムという考え方ですが、具体的にどのようなことを示すのかご説明します。

グローバリズムという考え方とは?

グローバリズムとは、国境など関係なく世界を1つの共同体としていこうという考え方ですが、この思想は第2次大戦が終わり世界の仕組みがアメリカを中心とした資本主義や自由主義に変わったことが関係しています。

自由な競争と利益追求を可能とする経済体制である資本主義や自由主義によって、外国との貿易が可能となりそれぞれの国の企業は発展していきました。

自国のみで生産や販売できないものでも、他国と交わることで可能となり、相互依存的な関係となる国も増えたといえます。

そもそも国と国が隔たりをなくせば、経済はさらに発展できると考えたのがグローバリズムです。

特に物流が大きく関係する自由貿易の推進など、市場の拡大はグローバリズムと大きな関係があるといえるでしょう。

 

自由貿易の推進によって物流市場は拡大できる

自由貿易の推進の一環として、それを阻害する障壁となる関税や輸入制限を撤廃しようとする動きが見られます。

たとえば環太平洋パートナーシップ協定(TPP)・経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)などがその例として挙げられるでしょう。

自国だけに限定されていた市場を他国に拡大させることを可能とし、輸出を希望する産業の国たちはこれらの協定を積極的に推し進めています。

世界の人や物、情報などの動きを活発化させ、文化や経済が発展できるように進めていこうとする考え方です。

 

グローバリズムを進めることのリスクも認識が必要

ただしひたすらグローバリゼーションを進めれば、弱肉強食の新自由主義の考えにより経済格差が拡大してしまい、その原因を移民に求め自国を守ろうとする動きもみられるようになるでしょう。

実際、市民の右傾化は世界の各国で起きているため、従来までには見られなかった混乱も世界で起きないとも限りません。

新型コロナウイルス感染症の流行により、さらにグローバリズムという考え方を重視する傾向は高まっていくとも考えられますが、それによるリスクも十分に踏まえておくことが必要となるでしょう。