物流におけるモーダルシフトとは、トラックなど車両を使った貨物輸送を、環境負荷を抑えることが可能な鉄道や船舶に転換することです。
環境負荷を低減させることは社会的責任(CSR)と位置付けている企業も多く、商品を生産し廃棄するまでの場面で取り組みが実施されているところでしょう。
物流においても環境負荷を低減させることは重要な課題であり、その対応策として輸配送の共同化や輸送網の集約、そしてモーダルシフトが検討されているといえます。
トラックから鉄道や船舶へのモーダルシフトは、環境負荷を低減させる効果が大きいことが特徴です。
貨物1トンを1キロ運ぶときトラックから多くのCO2が排出されますが、船舶であればその約6分の1、鉄道でれば11分の1まで低減させることができます。
貨物の輸送方法を転換することによって、船舶なら83%、鉄道なら91%のCO2排出量を削減することが可能になり、モーダルシフトは地球温暖化対策において有効であるといえるでしょう。
昨今、物流業界だけでなく様々な産業や業種で、労働力不足を解消させることや働き方改革なども注目されています。
モーダルシフトを行わなければ、倉庫間や集配拠点間など幹線輸送を数百キロ運転することになるので、出発した場所に戻るまで数日かけるというケースも少なくありません。
モーダルシフトを行った場合には転換拠点までの運転で済むので、ドライバーの長時間労働を改善させることにつながり業務も効率化させることができます。
従来までモーダルシフトは500キロ以上の長距離輸送でなければ対応できないと考えられていましたが、ここ最近では300~400キロなど短距離でも実施されることが増えています。
国土交通省でもモーダルシフト・輸送網の集約・輸配送の共同化など輸送を合理化させ、物流業務を効率化させる事業について計画の認定や支援措置など支援を行っています。
さらに経済産業省と共同の取り組みとして、物流分野でCO2排出量削減させるなど環境負荷を低減させること、物流の生産性向上などの取り組み促進に向けて、荷主や物流事業者などにグリーン物流の重要性を認識してもらうための会議を開催しています。
物流分野で環境負荷低減や生産性向上など、持続できる物流体系構築に顕著な功績が認められる取り組みについては、大臣表彰・局長級表彰などを毎年行っているのでぜひ目指していきましょう。