運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流倉庫業が労働災害を防ぐ上で最も重視したいこととは?

2020.12.13
分類:リスク

運輸業や物流倉庫業で実施する安全対策では、ドライバーの個人用保護具の使用、そして荷主・元請・配送先などの設備の整備という両方から行うことが必要となります。

その理由として、労働災害が発生する場所は主に荷主や配送先などの事業場が多いことが挙げられます。

そのため荷役作業を担当する人員の服装だけでなく、保護帽や安全靴など安全保護具の着用を徹底すること、さらに作業する場所の床面の状態や照度、天候に応じた作業環境などを整備することが求められます。

独自で労働災害を防ぐ安全対策を実施するのではなく、荷主側と協力・連携した上で取り組んでいくことが必要になるといえるでしょう。

どこでどのような災害が起きているかまず把握を

労働災害を防ぐための対策を講じる前に、実際にどのような災害が多く発生しているか把握しておきましょう。

陸運業や倉庫業で発生している労働災害のうち死傷災害は荷役作業に関連した作業中に起きた事故が大半を占めています。

中でもフォークリフト作業や倉庫・配送センター・工場内倉庫などで行う入出庫作業、トラック荷台への積込み・積卸し作業が関係していることが特徴です。

 

フォークリフト作業の安全管理で必要なこと

荷役作業で特に注意したいフォークリフト作業ですが、車両系荷役運搬機械を用いる作業はより安全管理が重要になると認識しておくべきです。

労働災害が発生してしまう理由は、人の不安全な行動などによるヒューマンエラーだけでなく、機械設備の欠陥など不安全な状態も原因となります。

特にフォークリフトなど車両系荷役運搬機械を使った作業は、安衛則において事業者が実施する必要があると定められていますので、法令を遵守することを基本とするべきです。

管理面からフォークリフトによる労働災害防止を進めていくためには、

・作業計画の作成と周知(作業場所の広さや地形・機械の種類や能力・荷の種類や形状に適した運行経路・作業方法を示した計画を作成し、それに従い作業を行うこと)

・作業指揮者の選任(作業指揮者を定め作業計画に基づいた荷役作業が必要)

・就業規制(フォークリフト運転技能講習を修了したモノでなければ運転業務は不可)

・職場巡視の実施(作業者による不安全な行動はないか安全管理者による定期的な職場巡視の実施)

という項目にポイントを起き、実施していきましょう。

それに加え、フォークリフトそのものが構造規格に適合していることを前提とし、次のことをポイントとして対策を実施していきましょう。

・点検・定期検査の実施

・接触防止措置の実施

・安全教育の実施

・リスクアセスメントの実施