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物流業界で働く労働者が業務中以外のケガや病気で働けなくなったときの手当金とは?

2021.01.21
分類:リスク

物流業界で働く労働者が、ケガや病気で仕事を休んでしまうこともあるでしょう。業務中のケガや病気なら労災保険で補償されますが、業務外によるケガや病気で治療を行う場合は特に補償されません。

それに加え仕事もできず、給料など受け取れないと生計が成り立たなくなってしまいますが、このような場合には加入している健康保険から「傷病手当金」が支給されます。

病気で仕事を休んだ場合でも傷病手当金があれば安心

被保険者が業務によらないケガや病気により、治療が必要なため仕事に就けず、給料などが発生しない状況にある場合には傷病手当金の支給対象となります。

支給される期間は支給されることになった日から16か月間で、支給される額は休業1日につき直近12か月間の標準報酬月額平均額÷30×2/3相当額です。

被保険者となった期間が12か月未満の場合には、

①支給開始月以前の直近に継続した各月の標準報酬月額平均額

②現在加入している組合の前年度930日時点での全被保険者の標準報酬月額の平均額

のいずれか低い金額が支給されることになります。

勤務先から給料など受け取っている場合でも、その金額が傷病手当金より少ない場合には差額が支給されるため安心です。

 

傷病手当金の支給条件とは?

傷病手当金はどのような場合でも支給されるわけではなく、次の4つのすべての条件に該当するときに支払われます。

・ケガや病気で療養中の場合(自宅療養でも可能)

・ケガや病気の療養でこれまでの仕事に就くことができない場合

・継続して3日以上休んでいる場合(継続して休んだ4日目から支給)

・給料など受け取ることができない、または傷病手当金よりも少ない金額

 

傷病手当金と出産手当金のどちらも受給対象の場合は?

傷病手当金と出産手当金をどちらも受給できるケースに該当する場合には、出産手当金が優先され支給されます。

出産手当金から支給される金額が傷病手当金よりも少ない場合は、その差額を受け取ることが可能です。

 

障害厚生年金など受給できるようになった場合には?

厚生年金保険の障害厚生年金(国民年金の障害基礎年金含む)を受給可能となった場合には傷病手当金は支給されなくなります。

老齢厚生年金など受給している場合も、退職後の傷病手当金の継続給付も支給されません。

ただしどちらも年金支給額が傷病手当金よりも少なければ差額を受け取ることは可能です。