物流業界では色々なモノを取り扱っていますが、その中でも食品物流は特殊です。
人が口にする食品を移動させることとなるため、リードタイム短縮や納期厳守などスピード部分が重視されますし、一般的な貨物と違ったスキルやシステムが必要となります。
そこで、食品を運送するときには何に注意するべきか、押さえておきたいポイントについてご説明します。
食品輸送では、一般的な物流と異なり、温度管理は厳密に行うことが必要です。
肉や魚、野菜など生鮮食品の他、乳製品や総菜など要冷蔵食品など、いずれも鮮度を維持し品質を劣化させないための温度管理を行った上での輸送が重要になります。
食品ごとに適した温度の範囲も異なり、常温(ドライ)・冷蔵(チルド)・冷凍(フローズン)の3種類の温度帯で管理が必要です。
生鮮食品や冷凍食品の場合、一貫して低温・冷蔵・冷凍の状態を保持したまま流通させなければなりません。
このようなコールドチェーンという仕組みを機能させるためにも、生産加工施設・小売店舗・保管倉庫で適切な温度管理を行い、輸送の際にも車両やコンテナを一定温度で管理できる状態にしておくことが必要になります。
倉庫内だけでなく、倉庫に搬入または搬出するときの温度にも十分注意が必要です。
生鮮食品は外気にさらされると劣化する傾向があるため、貨物の搬入・搬出のたびに倉庫のドアが開閉されれば、それまで保たれていた温度が変動し適切な管理ができなくなる可能性があります。
そこで、外気の侵入を防ぎ冷気を逃しにくくするため、倉庫の搬入口や搬出口に車両の荷台を連結させるドックシェルターや、エアカーテンなどを設置しておくことが必要です。
食品物流では卸売業者や小売業者との取引単位が小さくなり、少量を複数回に渡り届ける多頻度・小口配送が多くなったといえます。
そのためメーカーも細かな対応が必要になったといえますが、輸送業務も同じようにトラックやドライバーの確保で手間が掛かるようになりました。
メーカー側もコストがかかるため、双方の抱える課題を解決する手段として共同配送に期待が寄せられています。
既存の運行ルートに荷物を載せ運ぶことが可能となるため、トラックやドライバーを新たに調達せず、同じ時間帯に様々な場所へと荷物の配送ができます。
トラック1台あたりではなく物量に見合う料金体系が採用されるため、メーカーにとってもメリットとなるでしょう。