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最大積載量を守らない過積載はドライバーだけでなく運送業者も罰則の対象に?

2021.08.14
分類:リスク

運送トラックの後方には、「最大積載量○kg」といった表示がされていますが、これはトラックの荷台に積むことのできる荷物の最大重量をあらわしています。

この最大積載量が守られない場合、過積載違反となるため注意しましょう。

2019年4月1日からは、国土交通省が過積載違反車両に対しての取り締まりを強化しています。

最大積載量とは?

トラックの荷台に荷物を積む場合、最大積載量を守ることが必要です。

この最大積載量は、荷台に積むことが可能な荷物の最大需要ですが、仮に最大積載量を超えて走行すると大きな事故につながるリスクが高くなります。

車の重量には、車両にガソリン・エンジンオイル・冷却水・バッテリー・架装などを足した重さである車両重要と、車両重要に乗車定員(人数×55キロ)が乗り込み最大積載量を足した重さである車両総重量があります。

そのため最大積載量を求めるなら、

最大積載量=車両総重量-(車両重量+乗車定員×55kg)

という計算式で算出できます。

そのためトラックなどの貨物車は、ガソリンを満タン状態にし、乗車定員で人員が乗り込んでも、車両総重量を超えない範囲で荷物を積むことが必要といえます。

 

過積載に対して取り締まりが強化された理由とは?

この最大積載量を超えて荷物を積み込んだ状態でトラックを走行させると、重心が高くなるためトラックが横転するリスクが高くなります。

また、ブレーキがききにくくなり、追突事故などを起こすリスクもやはり高くなるでしょう。カーブなどもバランスが悪くなることで曲がりきれなくなり、横転してしまう可能性も出てきます。

いずれも大きな事故につながる原因となるため、過積載に対する取り締まりは強化されているといえるでしょう。

道路が老朽化している場合には、道自体を損傷させる原因にもなりますので、最大積載量は必ず守るようにしてください。

 

最大積載量を超えたときの罰則

トラックに最大積載量を上回る量の荷物を積むと過積載となり、道路交通法や貨物自動車運送事業法などの法律により罰則の対象となります。

罰則の対象となるのは、トラックのドライバーだけでなく運送事業者や荷主にまで及ぶこともあるため十分注意してください。

中型・大型トラックで過積載の割合が5割未満なら、違反点数2点・反則金3万円となります。

5割以上10割未満なら違反点数3点・反則金4万円、10割以上なら違反点数6点・反則金はなく6か月以下の懲役または10万円以下の罰金という厳しい扱いとなります。

さらに車両使用停止処分や事業停止処分などの対象になる場合もあるため、運送業者もドライバーにしっかりと指導しておくことが必要です。