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物流・運送業界も無視できない外交による貿易の影響とは?

2021.12.07
分類:リスク

外交とは海外の国々と交渉しながら貿易協定などを結ぶことであり、自国の利益を確保することですが、物流・運送業界にも影響を及ぼすことといえます。

外交の目的は経済的利益だけでなく領土の返還なども含まれますが、日本にどのような影響を与えるのかご説明します。

日本の外交が与える経済への影響とは

日本が世界の他国と外交を行うと、人・物資・文化が盛んに移動することになり、自国に利益をもたらすことが可能となります。

たとえば外国人観光者が増え、日本でモノを多く購入してくれるといったことも含まれます。

外交と耳にすると、国の代表者で会議を行うイメージが強いですが、実際には物の交流である貿易も含まれます。

外国から輸入したモノなどがスーパーに並んでいるのも経済外交の成果であり、輸入により相手国との関係を深め、日本製を輸出することで市場を拡大させることができます。

ただ、外国産のほうが低価格だと国内産の売上が低下することになるため、国産のモノの消費が圧迫されないよう、輸入や輸出のルールを定めておくことも経済外交では重要といえます。

 

新型コロナウイルス感染拡大による物流への影響

新型コロナウイルス感染拡大により、モノの移動や物流にも影響は拡大しました。

日本は貿易大国であり、輸出や輸入で経済が成り立っています。

滞りなく物流が動くことが重要ですが、中国など貿易額が大きい国から日本に向かう航空貨物では、スペースの奪い合いが起きるといった問題もありました。

コロナ禍で中国の工場では生産が停止し、中国からの輸入に頼っていた日本企業は遅れを取り戻すためはやくモノを集めるため、船で運ぶモノまで飛行機を使おうとしたことが理由です。

旅客機には客室の下に荷物を載せるスペースがありますが、その空きスペースを使い貨物輸送を行うといったことも行ったため、中国と日本を結ぶ便が大幅に減便されています。

貨物専用機に注目が集まったものの、旅客便ほど便数は多くないため、モノを運びたい企業から注文が殺到しスペースの奪い合いが起きたということです。

さらに海運にも異変が起き、コンテナが世界各地の港で不足してしまうといった事態が起きることになりました。

本来コンテナは使い回す仕組みになっていますが、中国で工場の稼働を停止し生産が減少したことで、中国の港で輸入コンテナを降ろす一方、輸出コンテナがない状態になったのです。

コンテナを載せない船が出発するケースが相次ぐことになったため、中国の港に多くのコンテナが溜まる事態がおき、世界でコンテナが不足するといったことになりました。

コンテナが必要な港に空のコンテナを運んだ場合、費用を上乗せした輸送料金が設定されてしまう可能性も考えられるため、輸送費用が高くなるともいえます。

アパレルなど価格が安い製品メーカーなどは、輸送費が高くなれば経営を圧迫することは避けられません。

このような物流の混乱は経済の重荷になるリスクが高いため、外交に期待するしかないとも考えられます。