物流とは物的流通を省略した言葉ですが、生産した物を消費者に届けるまでの流れにおける活動全体を指しています。
輸送、配送、保管、荷役、包装、流通加工、物流情報処理などが物流とよばれる流れに含まれる項目であり、輸送、保管、荷役、包装、流通加工は物流5大機能と呼ばれています。
そこで、物流の流れを効率化させるためのシステムにはどのようなものがあるのか、その種類とそれぞれの内容を把握しておきましょう。
物流の機能においてコスト削減で効果をあげているシステムが配送管理システムです。
配送計画データと実績管理を連動させ、日々の日報、荷主・車輌・乗務員・傭車別の実績や配車状況、距離や向地別など、様々な条件に合わせて条件に応じた運賃の計算を自動で行うことができます。
車両の配車や運行管理のサポートだけでなく、それぞれの車両に取り付けた専用車載器から送られた走行距離や速度などのデータも一元管理できるので、燃費やCO2排出量、ドライバーの運転挙動などを把握しやすくなります。
様々な情報を見える化できることで、安全運転指導やエコドライブ徹底などにつなげることができるようになるでしょう。
加工・製造・流通などの過程を明確にする仕組みに対応した管理機能により、1つの倉庫の在庫管理だけでなく、複数の倉庫や複数の荷主などにも対応できるようなリアルタイムの在庫管理の実現が求められます。
作業ごとの進捗状況も把握できるので、作業が進んでいないことで納品に遅れが発生するなどを予測し、緊急的に出荷するといった対応が必要か、それとも納品先に連絡を入れ、代替え品を用意するべきか、対策を検討しやすくなります。
作業の実績の情報を収集することで、どの商品を誰がどのくらいの時間で処理したのか、データ分析などにも活用できますし、改善活動にもつなげることができます。
作業や生産性の向上だけでなく、改善が必要となる部分への対策を検討するなど、リスク管理にも活用できるのです。
最も身近な例として宅配便の消費者向け貨物追跡サービスがあります。これは貨物追跡画面で伝票番号を入力すると、顧客が委託した貨物が今どこにあるのかを即座に表示するものです。
受注から納品までのイベントについて、現在の状態を時系列で把握する管理をSCEMといいますが、身近な例として宅配便が提供する貨物追跡サービスなどが挙げられます。インターネットの貨物追跡画面から伝票番号を入力することで、顧客が委託した荷物が現在どの地点にあるのかを知ることができます。
ただ、貨物追跡サービスなどではおおまかにしかその情報は伝えられませんし、伝えられる情報に多少のズレが発生します。
そのため、今後このSCEMがより効率的に運用されるためには、情報をどのくらいリアルタイムに取得することが可能になるのかがポイントとなるでしょう。