日本は高齢化が進んでいる状況であり、山間部などの過疎地域に住む方たちを中心とした買い物弱者や買い物難民と呼ばれる方たちが年々増えています。
高齢の方が歩いて行くことのできる500mから1キロの範囲に生鮮品を扱う店舗がない場合を買い物弱者の定義としているようです。全国に700万人以上存在するという買い物弱者の状況が深刻化しているのは、流通機能や交通網弱体化などがその背景にあります。
その対策として注目されているのが移動スーパーであり、生活に必要となる商品を専用の軽トラックにのせて販売する方式です。軽トラックに大きな冷蔵庫が乗っており、荷台には新鮮な刺身や寿司、お肉、野菜、果物、菓子、日用品など店頭に並ぶ商品を購入することが可能です。
ただ、移動スーパーで採算がとれる運営を行うには、自治体とも連携することも必要になると考えられます。
農林水産業では地域の事情に応じて行われている買い物弱者を支援する取り組みを紹介していますが、移動スーパーでの買い物に満足してもらう形を構築できれば、安定した利用につながるため採算も取れるようになると考えられるでしょう。
参考:農林水産省 企業・団体による全国を対象とした買い物支援の取組事例
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/zenkoku_jirei.html
実際、移動スーパーは地域の方たちのコミュニケーションの場になり、見守りの役割を担っていることもあります。
移動スーパーは高齢者が住み慣れた地域で引き続き生活を続けるための生活支援サービスの1つが移動スーパーであり、見守りや相談といったサービスにも対応することでさらに価値や質が高まることとなるでしょう。
すでに自治体と見守り協定を結び、地域のケアマネジャーと連携できる立場を築いていることもあります。水道の水漏れ相談や電球の交換など、様々な相談に乗りながら手伝いを行い、ただの商品を販売するのではなくよい相談相手として機能しているようです。
重たい荷物が家に届いたときに運んだり、いつも移動スーパーにくる方がこなかったときには様子を見に行くなど見守りサービスとしての役割も行っており、地域の方たちが安心して生活を送るための頼れる存在となっています。
買い物に困っている高齢の方の所在を把握しておき、商品を移動販売しているサービスがあることをもっと多くの方に知ってもらうことがより重要となるでしょう。