運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送・物流の仕事の1つ「荷役作業」が担当する業務と使用する機械の種類

2022.07.12
分類:その他

陸上貨物の輸送機器の積み込み・荷下ろし、倉庫やヤードなどに入出庫する作業を「荷役作業」といい、運送・物流の仕事では欠かせない業務です。

貨物の出し入れを担当する輸送機器として、トラック・船舶・航空機などが挙げられますが、クレーンを使った貨物の上げ下ろしや運搬機械などによる出し入れの他、人の力も必要となる作業もがあります。

そこで、具体的に「荷役作業」ではどのような業務を担当することになるのか、使用する機械などの種類について説明していきます。

貨物運送事業で行う「荷役作業」の種類

荷役作業とは、物流過程における次の作業のことです。

・船荷の積み込み・積み降ろし・積付け

・トラック・航空機の貨物積み込み・積み降ろし・積付け

・倉庫・コンテナヤードの入出庫・棚卸し

・伝票や指示書に基づくピッキング作業

・出荷先や品種に分ける仕分け作業

・荷物やパレットの移動・運搬・積付け

倉庫や配送センターで行うだけでなく、荷主や配送先の事業場で行うことも多い作業であり、貨物運送事業の労働災害の約7割は荷役作業のときに起きていることも認識しておくべきでしょう。

荷役作業の労働災害の発生場所は、約7割が荷主・配送先・元請事業者などの事業場であり、作業員の安全確保のためにも荷役作業の安全対策が強く求められるといえます。

 

荷役作業で使用する「機械」の種類

荷役作業で使用する機械やロボットは「マテハン機器」と呼ばれ、搬送・保管・出荷などを行う上でのサポートに特化したものが多く存在します。

人力で行うイメージが強い荷役作業も、AIIoT技術を搭載した機械を使うケースが増えています。

物流業界の第一線で活躍している荷役作業用のマテハン機器として、具体的には次のような機器が挙げられます。

・フォークリフト(前方に備えられたツメを貨物下部やパレットに差し込んで持ち上げ、運搬・積み込みを行う車両)

・コンベア(ベルトやローラーの上にモノを載せて流し、連続して搬送できる装置)

・移動ラック・自動倉庫(ラック・パレットを動かすことや収納記録を残すことで、入出庫作業を効率化させる装置)

・ピッキングシステム(ピッキング補助のための機器)

・クレーン(重量物や巨大な積荷なども吊り上げることで運ぶことのできる機械)

 

荷役作業を行う上で必要な「資格」

荷役作業を担当するときには、必ず必要になる資格もあれば、保有しておいたほうがよい専門資格もありますので、それぞれどのような資格か説明していきます。

船内荷役作業主任者

500トン以上の船舶への積み込み・積み降ろし・船舶内での荷物移動の際には、船内荷役作業主任者の選出が必要とされています。

はい作業主任者

袋や箱など荷物を規則正しく積み上げることや、積み上げた荷物を崩す「はい作業」において指揮・管理するための資格です。

高さが2メートル以上のはいの付け・崩しを行う際には、はい作業主任者を専任するべきとされています。

フォークリフト免許

1トン以上のフォークリフトを運転するときに必要な免許で、学科講習・技能講習のそれぞれを受講し、修了試験に合格することが必要です。

1トン未満のフォークリフトであれば、フォークリフト運転特別教育を受講するだけで運転することができます。