宅配大手は、届け先である消費者の自宅までのラストワンマイルに「宅配ロボット」を活用する実証実験を進めています。
そもそも宅配ロボットによる配送は、物流業界の人手不足解消が目的でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で「非接触」に対するニーズも高まり、より現場への導入が急がれるようになっています。
政府も実用化に向けた法整備などで後押しする方針ですが、運送・物流業界を今後大きく左右する可能性のある「宅配ロボット」の実力について紹介していきます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、感染を防止しようと巣ごもり需要が一気に高まりました。
フードデリバリーなどが多く利用されるようになり、ECサイト需要の高まりで小口配送用の軽トラックも増加しているといえます。
ただ、荷物を受け取るときには配送員との対応が必要となるため、それを回避するために注目されつつあるのが無人で宅配を担当する「宅配ロボット」です。
ただし宅配ロボットはコロナ禍で開発されたわけではなく、もともとEC需要が増えていたことによる宅配業者の配送員の負担軽減を目的としているといえます。
人手に頼らなければならなかった運送・物流業界を改革しようと、開発されたのが宅配ロボットといえるでしょう。
ラストワンマイルを担当する宅配ロボットが活用されるようになれば、人手不足が深刻化している運送・物流業界の大きな助けとなるはずです。
また、感染症などで避けたい人と人との接触も避けることができるなど、非接触宅配にも対応できます。
「置き配」など、直接荷物を受け渡す必要のない方法も浸透していますが、玄関先に荷物を置けば盗難に遭う可能性もあります。
直接荷物を受け取りたいけれど人とは接触したくないというニーズにも、宅配ロボットならこたえることができるはずです。
日本郵便の実験では、ロボットが家に到着したとき、スマートフォンをかざすと荷物を受け取ることができるセキュリティ面を担保した仕組みとなっています。
佐川急便もソフトバンクと組んで東京・竹芝エリアで実証をスタートさせ、ヤマトも同様の実験を始めるなど、さらにロボットを使った宅配を実現させる動きが活発化していくことが予測されます。