現在、自動運転を実用化することに向けて、様々な実証実験や制度整備が進められています。
運送業界でも無視できない自動運転の実用化ですが、ドライバーが存在しない自動運転車が使われるようになるとも考えられます。
すでに実用化レベルに達している実証実験もあり、法改正とともにさらに取り組みが進んでいくことでしょう。
そして自動運転の実証実験を公道で行うためには道路使用許可が必要となりますが、具体的にどのような内容なのか説明していきます。
道路交通法は、道路の危険防止や交通の安全・円滑のため、道路交通に起因する障害を防止するために制定された法律です。
道路を走るのは自動車だけでなく、歩行者や自転車なども含まれ、さらに子ども・高齢者・障がい者など様々な方たちが公道を利用します。
まだ実用化に至っていない自動走行システムを公道で走行させれば、どのような危険やリスクが発生するかわからず、交通安全に支障を及ぼす可能性も否定できません。
そこで、公道で自動運転の実証実験を行う場合には、道路交通法に基づいた道路使用許可を取得することが必要とされています。
自動運転の実証実験を道路外で行うときには、道路交通法の適用を受けないため道路使用許可は必要ありません。
ただし道路使用許可の要否には関係なく、道路交通法の遵守と十分な安全確保措置は徹底して行うようにしましょう。
道路使用許可の取得が必要となるのは、公道で自動運転の実証実験を行うときです。
所轄の警察署長に道路使用許可を認めてもらうことが必要となりますが、たとえば次のようなケースで道路使用許可が必要となります。
・遠隔型自動運転システムを使った実証実験を行うとき
・通常のハンドル・ブレーキと違った特別装置で操作する特別装置自動車の実証実験を行うとき
・自動走行する自動配送ロボットなどの実証実験を行うとき
道路使用許可が必要なのは、公道で自動運転の実証実験をするときですが、以下の条件を満たすことによって場所や時間に関係なく道路使用許可を取得せず道路で自動運転の実証実験ができます。
・公道実証実験に使用する車両が道路運送車両の保安基準規定に適合している場合
・運転者が公道実証実験に使用する車両の運転者席に乗車し、常に周囲の道路交通状況や車両状態を監視できる状態であり、さらに緊急事態が発生したときには安全確保に必要な操作を行う場合
・道路交通法など関係法令を遵守し走行する場合