運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送サービスである「宅急便」と「宅配便」の違いとは?

2023.02.01
分類:その他

荷物を運ぶ運送サービスには、「宅急便」と「宅配便」という2つの言葉があり、その違いがよくわからないという方も少なくありません。

普段何気なく使う言葉でありながら、実際には大きな違いがあります。

そこで、荷物を運送するサービスを指す「宅急便」と「宅配便」は何が違うのか解説していきます。

宅急便とは

「宅急便」とは、ヤマト運輸の提供している宅配便サービスで、「クロネコ」がトレードマークの宅配サービスです。

親会社であるヤマトホールディングスの登録商標で、ヤマト運輸株式会社が提供する宅配便サービスの商品名といえます。

ヤマト運輸が提供するサービス限定で使われる名称であり、「商標」であるため他の運送会社が使用することはありません。

商標とは

「商標」とは、事業者が自己や自社の取り扱う商品・サービスを他人または他社のものと区別するために使用する識別標識(マーク)のことです。

商品購入やサービス利用において、たとえば企業のマークや商品のネーミングなどを目印として選びますが、これらは「商標」として登録されており、ブランドイメージそのものといえます。

事業者が営業努力で販売する商品やサービスに対し、消費者の信用を積み重ねることで商標には信頼や安心などのブランドイメージがつきます。

まさに「もの言わぬセールスマン」や「顔」として重要な役割を担うのが商標であるといえるでしょう。

そしてマークやネーミングなどを財産として守るのが「商標権」という知的財産権であり、文字・記号・図形・立体的形状、これらの組み合わせなどいろいろな形で商標は作られます。

動き商標・ホログラム商標・色彩のみの商標・音商標・位置商標なども商標として登録できます。

宅配便とは

宅配便とは、小さな荷物を消費者などエンドユーザーまで配送する輸送サービスのことを意味しています。

トラック事業の中では特別積合せ事業の一形態として、国土交通省では「宅配便貨物」と規定されています。

荷主の戸口から届け先の戸口まで迅速に荷物を配達することが特徴のサービスです。

宅配サービス業者が提供する、荷物を指定場所まで届けるサービスの総称が「宅配便」であり、一般的な配送サービスで使われる言葉といえます。

商標権侵害とは

宅急便はヤマト運輸の商標として登録されているため、他の運送会社が使用すれば商標権侵害となります。

商標権侵害とは、他人が登録した商標やそれに類似する商標を他人の商標権がおよぶ分野で使用する行為です。

商標権侵害があったときには、侵害者に対し商標使用の差し止めや損害賠償請求が可能となり、故意で他人の商標権を侵害すれば刑事罰も科されますので注意しましょう。