軽貨物運送業の中でも、多くの方に周知されているのが「赤帽」というサービスです。
たとえば引っ越しするときに、安く荷物を運んでもらえることや、宅配便サイズではない荷物でも送ることができるなど、便利なサービスとして知られています。
そこで、赤帽とはどのような運送サービスなのか、その組織や利用する上でのメリット・デメリットについて解説していきます。
「赤帽」とは、貨物軽自動車運送業を営む個人事業主の集まった協同組合であり、独立したオーナー事業者の組織です。
主に引っ越しなどで利用することが多い赤帽は「軽貨物運送業者」に含まれ、引っ越し荷物だけでなく一般的な荷物配送や美術品の搬入・搬出、定期便やルート配送など様々なサービスを提供しています。
さらに拠点が全国規模であり、その数は44の協同組合に約180か所の組合本部・支部・営業所、組合員は約9000人と大規模です。
赤帽を荷物の配送で利用することには、主に次の3つのメリットがあると考えられます。
・宅配便では運ぶことのできない荷物でも運搬可能
・引っ越し費用を抑えることができる
・簡易な作業も依頼可能
それぞれ説明していきます。
宅配便の配送可能となる荷物のサイズは業者により異なりますが、3辺の長さ合計は160~170cm以内、重量25kg以下であることが多いといえます。
しかし赤帽の場合、使用する車両の荷台の幅は約140cmで、長さは約200cm、高さは最大180cmであるため、宅配便では運んでもらうことのできない大きな荷物も積むことが可能です。
赤帽に引っ越し運送を依頼すると、平日の繁忙期以外の作業は2時間以内で走行距離20キロ以内であれば約1万4千円です。
一般的な引っ越し専門業者であれば、最低でも1.5〜2トンのトラックを利用し、ドライバー以外に作業員も同行します。
しかし赤帽では軽トラック1台とドライバー1名で作業を行うことになり、費用を抑えることが可能となっています。
赤帽を利用するケースは主に引っ越し運送が多いですが、家具・家電などの運搬でも利用できます。
エアコンの着脱や食品や医薬品の保冷配送などの作業が可能なケースもあるため、ニーズに合わせて簡易な作業も依頼できることがメリットといえるでしょう。
赤帽を荷物の配送で利用することにはいろいろなメリットがある反面、赤帽の配送には次のような注意点もあります。
・配送料金が高額になる場合もある
・作業員はドライバー1人のみ
・軽トラックに積むことのできる荷物量に限られる
それぞれ説明していきます。
赤帽の料金は移動距離や作業時間で決まるため、2時間を超えると追加料金がかかります。
また、作業員はドライバー1人のため、大きな荷物がある引っ越しでは運搬を手伝うことも必要となるため、すべて任せることはできません。
さらに軽トラックの荷台に積むことができる量に限られるため、一度に積みきることができなければ、往復便を利用することになり時間や費用が余計にかかります。