運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業をインターネットでつなぐワーク求荷求車システムとは?

2023.05.02
分類:その他

運送業界は、働き方改革による労働時間規制でドライバーが不足しているのに対し、運ばなければならない荷物の数は増えているため、従来までのやり方で事業継続することが困難になっているといえます。

 そのため効率的な利益確保が難しくなった今、インターネットで運送ニーズをつなぐ「求荷求車システム」が注目されているといえるでしょう。

 荷物を運びたいドライバーと、荷物を運んでほしい事業者をつなぐシステムであり、インターネットを使ったマッチングの仕組みといえます。

 生産性向上が求められる運送業界で、事業者間のネットワークを構築できる仕組みとして注目されている「求荷求車システム」ですが、活用におけるメリット・デメリットなども含めて紹介していきます。

求荷求車システムとは

 「求荷求車システム」とは、空きがあるため運ぶ荷物を求めているトラックなどのドライバーと、空いているトラックがないため荷物を運んでほしい荷主をマッチングするシステムです。

 会員制でインターネット上でやり取りするシステムが多く、直接掲示板に情報を書き込んで当事者同士がやり取りする掲示板形式のものもあれば、書き込まれた情報を運営会社が管理し運賃決定や取引相手紹介などを行うエージェント形式のものがあります。

  

求荷求車システムのメリット

 「求荷求車システム」を利用することで、運送事業者は納品終了後の復路でも貨物を確保できます。

 荷主は空きトラックや空きスペースを利用することで、輸送費を抑えることが可能となります。

 ドライバー不足解消や積載率低下などの問題を解決でき、トラックの実車率や積載効率を向上させることができるため、CO2排出抑制や交通渋滞による遅延解消といったことにもつながるといえます。

  

求貨求車システムのデメリット

 求貨求車システムのデメリットとして、荷主と運送事業者の取引が1回限りである場合、確実に指定したとおり荷物を届けてもらえるのかという不安を抱えた取引になります。

 運送費の回収などについても不安を抱えることになるでしょう。

 また、消費財のみ扱っていたドライバーに対し、家電製品や家具など任せる場合や、食品や衣料品などの運送において前に運んで商品の臭いが残っていないかなど、不安やトラブルが多い取引になりやすいことがデメリットといえます。

 

 求貨求車システムの現状

 求貨求車システムについては、行政や物流団体が開発・運営しているものの、成約件数はそれほど伸びているとはいえません。

 荷主と物流側のニーズが合致するものの、抱える課題が解決されない限り安心して利用することができないため、課題解決が急がれるといえます。